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純粋・応用数学(含むガロア理論)6

302 :現代数学の系譜 雑談 :2021/01/02(土) 00:05:31.28 ID:k00K5jWz.net
>>301
つづき

P66
代数学 I 第 12 回講義資料
11.1 群の作用
定義 11.1
群 G と集合X に対し,X 上の G の作用 (action of G on X)*1とは,写像
ψ: G × X → X, (g, x) → ψ(g, x)
であって,次の 2 条件を満たすもののことを言う.
(1) 任意の x ∈ X に対し,ψ(e, x) = x.ただし,e は G の単位元.
(2) 任意の g, h ∈ G, x ∈ X に対し,ψ(gh, x) = ψ(g, ψ(h, x)).この条件は以下の図式で表される.
図略
作用の定義条件は ψ(g, x) を単に g ・ x と書くことにすると以下のように見やすくなる.以下ではこの記号
をしばしば用いる.(群の二項演算と混乱しないように.)
(1)′ 任意の x ∈ X に対し,e ・ x = x.
(2)′ 任意の g, h ∈ G, x ∈ X に対し,gh ・ x = g ・ (h ・ x).

例 2. 例 1 は次のように一般化できる.X を任意の空でない集合とする.第 5 回講義資料例 1 で考えた,X
から X への全単射写像全体のなす群
B(X) := {f : X → X | f は全単射 }
を考える.ここで,二項演算は写像の合成 ◯,単位元は X 上の恒等写像 idX であった.さらに,n 次対称群
Sn の定義は X を {1, 2, . . . , n} としたときの B(X) = B({1, 2, . . . , n}) であったということを思い出してお
こう (第 5 回講義資料例 2)*2.このため,上の B(X) という群は対称群の一般化と思うことができる.
さて,写像 ψ を
ψ: B(X) × X → X, (f, x) → f ・ x := f(x)
とすると,これは X 上の B(X) の作用を定める.これは例 1 の一般化であり,作用であることのチェックは
例 1 と全く同様である.

例 6. G を群とし,e をその単位元とする.このとき,二項演算の写像
ψL : G × G → G, (g, h) → gh
は集合 G 上の群 G の作用を定めているとも考えられる (G × G の左側の G が群と思う方).実際,以下のよ
うに作用であることが確かめられる.
(1) 任意の g ∈ G に対し,ψL(e, g) = eg = g.
(2) 任意の g1, g2, h ∈ G に対し,ψL(g1g2, h) = (g1g2)h = g1(g2h) = ψL(g1, ψL(g2, h)) (群の二項演算の結
合法則).

つづく

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