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純粋・応用数学(含むガロア理論)6
- 288 :現代数学の系譜 雑談 :2021/01/01(金) 23:59:05.65 ID:bueneSOZ.net
- >>287
つづき
3.そういう目で、龍孫江氏のYoutube動画を見ると(解説テキスト版は見ていない。ちゃんと書いてあるかも)、院試の答案という意味では、ちょっと問題でしょうね
1)さて、院試答案としてだが
群の定義から出発していない。群の定義:2項演算で閉じていて、結合則、単位元、逆元の3要素を簡単に述べるべし
2)剰余類を定める同値関係の定義がない。同値関係を定義して、せめて推移律チェックでしょう。また、完全代表系にも触れる方が良いね
(剰余類の同値関係等は、下記の大矢 浩徳 芝浦工大 代数学I講義資料に詳しい。これ抜群ですね。お薦めです。あと、下記 黒木 玄もコンパクトで良いね。)
例えば、下記剰余類 wikipediaより
"(定義)H の G における左剰余類は、x 〜 y となるのは x-1y ∈ H となるとき、かつそのときに限るとして定まる G の同値関係に関する同値類である"として
推移則を確認すると x 〜 y y 〜 z → x-1y ∈ H y-1z ∈ H → x-1y・y-1z=x-1・z∈ H →x 〜 z みたく書く
3)龍氏の動画4分くらいで、”定理 群準同型 Φ:G→G’による正規部分群N’の逆像Φ-1(N’)はGの正規部分群である”
を使って”核 kerΦ=Φ-1(e) は正規部分群である”をいうが、本末転倒でしょうね
本来”核 kerΦ=Φ-1(e) は正規部分群である”を使って、”定理 群準同型 Φ:G→G’による正規部分群N’の逆像Φ-1(N’)はGの正規部分群である”が導かれるのが普通です。
ヘタすると循環論法になるよ。実際、”核 kerΦ=Φ-1(e) は正規部分群である”は簡単に言える(後述)、
動画冒頭の”定理 群準同型 Φ:G→G’による正規部分群N’の逆像 Φ-1(N’)はGの正規部分群である”の証明は、結構難しい
(多分、下記 大矢 浩徳 定理 10.6 (第 3 同型定理) を、使って証明することになると思う )
つづく
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