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現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む52

326 :現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む :2018/08/13(月) 21:06:01.89 ID:LUqhd4ZE.net
>>325

つづき

その後、さらにシュレーディンガーの古典的研究において、特にE.シュレーディンガー自身の手による「シュレーディンガー方程式」導出のそのものにネルソン流の確率量子化の発想やポントリャーギンの最適制御理論の萌芽を見出した。
そして保江は我が国の偉大な数学者の故伊藤清による「確率微分方程式」のレベルから徹底的に考察し、ついに現代確率論における「保江方程式」の発見に至り、その後の「確率変分学」という分野の基礎を作った。
そればかりか、保江の最初の弟子であるザンブリーニ(J.C.Zambrini)によって、シュレーディンガーに端を発する「過去と未来との間の時間対称性をもつ確率過程」−「ベルンシュタイン過程」−を量子力学の再構成に応用し大きな一歩を記すことになった。これらの発見は、保江邦夫「量子力学と最適制御理論」(海鳴社, 2007 年)に詳しい。

このネルソン−保江−ザンブリーニの方法は、熱・統計力学におけるオンサーガー−マクラップ(Onsager?Machlup)理論の『非線形』への一般化および最適制御理論の分野自体にも役立つ可能性があり、今後の発展を促し得る秘めたる可能性を持つように見える。
そんなわけで、すでにネルソンの最初の出版から半世紀の時を経ているが、さらなる発展を期待して、ここにあえてそれを日本語訳本として出版することにした。私の稚拙な日本訳にてネルソンの名文を汚すことになるかもしれないが、読者諸氏のご理解を願いたい。

(「訳者まえがき」より一部抜粋・編集)

目次
訳者まえがき
第1章 お詫び
第2章 ロベルト・ブラウン
第3章 アインシュタイン前時代
第4章 アルベルト・アインシュタイン
第5章 ウィーナー過程の導出
第6章 ガウス過程
第7章 ウィーナー積分
第8章 確率微分方程式の類
第9章 ブラウン運動のオルンスタイン−ウーレンベックの理論
第10章 力場中のブラウン運動
第11章 確率運動の運動学
第12章 確率運動の動力学
第13章 マルコフ運動の運動学
第14章 量子力学についての注意事項
第15章 エーテル中のブラウン運動
第16章 量子力学との比較
訳者あとがき

(引用終り)

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