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中島みゆきの名曲

1 :ジョン・スミス:2022/02/11(金) 09:12:47.45 ID:hN5svhY7.net
中島みゆきの名曲から物語(ストーリー)を作る

2 :ジョン・スミス:2022/02/11(金) 10:00:46.97 ID:hN5svhY7.net
「本日,未熟者」

俺はボーイズで主力として活躍し、県内の名門校に進んだ。将来を期待され入った名門校。
甲子園を目指し血のにじむような努力をして頑張ったが中途退学した。

野球部になじめなかったのが表向きの理由だが、先輩のしごきが原因だった。
理不尽なしごきに耐えられず、先輩を殴り怪我をさせ退部した。

退学してからは、毎日のように繁華街に出て、自らの憂さ晴らしで喧嘩を売る日々だった。
ある日、いつものように繁華街で喧嘩の相手を探していると、一人のオジさんが歩いてきた。
俺はわざとぶつかり「どこ見てるんだ!! じじぃ!」と威嚇した。

「若いの、威勢がいいね。俺が相手するから、来てみな」と言われ、俺は向かっていったが、
そのオジさんの威圧感に圧倒された。オジさんの眼を見ると、さっきまでのオジさんの雰囲気
とは思えない鬼の眼と威圧感に体が震え冷汗が出た...初めて喧嘩で感じた恐怖だった。

ここで、くじけて弱みを見せたら男が廃ると思い、構わず拳を振り回したが、全て空振り、空を切り交わされた。
「この野郎!!!」と悔しさで叫び続けたが、オジさんの拳は確実に俺を捕らえ、的確にヒットしボコボコにされた。

初めて味わった敗戦だった。「それがおめえの実力だ! 力のある者の前では、おめえはちっぽけなひよっこだ!
心・技・体、そろって初めて強くなる。本当に強い者は自分の弱さを知っている。おめえはまだ若い。

下手に粋がるな! おめえは、人に涙を見せられる優しい人間じゃないのか? 無理して粋がって、
人生を粗末にする生き方はするな!素直に生きろ! おめえは、俺の若い頃と同じだ。
喧嘩で強くなっても、何にもならんぞ! 本当の強さは、腕力ではなく心の強さだ。

人に弱さを見せろ。そうすれば、皆、おまえを迎えてくれる。本当の意味で強い男になりたいなら、
自分の弱さを知って、人に弱さを見せ許す心を持て。決して腕力だけで生きようとするな!
腕力に頼っているうちはまだまだ未熟者だ!本当の強さは腕力ではない。あとで必ず後悔する。

後で後悔してからでは遅い。俺みたいになっても、何にもいいことはない。いずれ何が、
大切か知る時が必ず来る。拳に頼る生き方をやめて真面目に生きろ! それが一番いいんだよ。
分かったか、なあ、坊主、ワハハハ」と頭をポンと叩いて笑って去っていった。

のちに風の噂で聞いた話だと、そのオジさんは喧嘩空手の達人でヤクザの用心棒をやっていて、
 - その後のヤクザ抗争に巻き込まれ亡くなったという ーーーーーーーーー

3 :ジョン・スミス:2022/02/12(土) 14:05:19.05 ID:b9mY923i.net
「ショウ・タイム」

私は30歳前後の女。まあ俗にいうアラフォーの女だ。今日は取材で新宿二丁目の
ゲイバーに行くことになった。もちろん行った事はなく、とてつもなく敷居が高い
気がして調べる段階から尻込みしそうになった。

まず注意しなければならないのは、ゲイバーには、たくさんの種類があるということ。
ゲイオンリー、ノンケバーなど店によっては様々という話。ゲイバーの中でも、
初心者向けは観光バーです。とはいえ、女一人で行くのは、やはり勇気がいるものです。

ということで、オネェママが経営する某有名ゲイバーに行きました。取材の予約を入れると、
「あら、一人なの?大歓迎よ。いらっしゃ〜い!」と、めっちゃいい人でした。
流石は接客のプロ! 心地よいテンポで弾む会話。

雑居ビルの多い新宿二丁目、目当ての店までたどり着くのに結構迷ってしまった。
本当にここで、あっているのだろうかという不安を抱きながら、そっと扉を開けると
「あら、いらっしゃ〜い!」" あっ! 電話の声の人だ! " 少し安堵した私は席に案内された。

お通しに駄菓子を渡され、システムの説明を受けました。セット料金3000円。
ドリンクメニューも500〜1000円くらいで、居酒屋とほとんど変わらない明瞭会計。

「あら、あんた!女が一人で来るなんて、どうしたのよ? ゲイバーは初めて? 
何飲む? 私なんてもう、ビールガブガブ飲んで、お腹タプタプよ〜ん」と
いきなりマシンガントークを繰り出す! 

するとすかさず隣の店員さんが
「もう、一気に質問したら、お客さん、ビックリするでしょ」と私をフォロー。

終始、この二人がツッコミとボケ、フォロー役を交代して会話をリードしてくれる。
とにかく会話が面白い。失敗談など面白おかしく話してくれて時間が経つのも早い。
会話のテンポがいい。

そこに「あら、おこげも歓迎よ! このメタバースの別世界へようこそ!」と綺麗な
ニューハーフ顔のお姉さまが参加。
「なによ、あんた! そのメタバースって? この子、目が点?になってるわよ! 
訳の分からないこと言って、ねぇ、」

「だってぇ〜 仮装空間の世界しょ。 オホホホ」「あほなんだから...ねぇ、」
私は二人の会話に思わず笑ってしまった。

私は「おこげって?」「あら、おこげも知らないの? 気持ちは女と思っているのがオカマ。
そのオカマが好きでついてくる女をおこげ。お釜の底につくのがお焦げでしょ オホホホ」

4 :ジョン・スミス:2022/02/12(土) 14:29:58.33 ID:b9mY923i.net
>>3
下から4行目「仮装空間の世界でしょ。」に訂正

5 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 10:11:26.39 ID:ZrFoKAfp.net
「36時間」

本日は現代物理の観点から、ノーベル物理学賞の○○先生に、おいでいただきました。
お話を伺いたいとおもします。

その前に、ノンちゃん「一日の時間は何時間だと思いますか?」
「バカにしないでください! 24時間です(;一_一)」

「そう怒らないで、ごめんね。ノンちゃん、時間という概念が、そもそもないらしいんだよ」
「えええーつ! ウソ!...信じられない! 本当ですか?(・・?」

「先生、本当はこの世に時間という概念が、そもそも存在しないということを聞きました。
時間は、人間の都合だと、本当なのですか? どういうことなのでしょうか、理解できません?」
「私も、先生教えて? ノン、頭おかしくなりそう(。´・ω・)?(・・?」

「ジュリアン・バーバーは宇宙には、時間は存在しておらず、時間とは、あくまでも人類の感覚としての幻想だと
主張しています。彼の主張に限らず、現代物理学では、時間という概念は存在しないのです」

「ノン、頭おかしくなりそう ??? (?_?)(◎_◎;)(・・?」

「日々時間に追われて、時間そのものが当たり前すぎて、その存在自体を疑うのが困難な状況になっていますが、
色んなことで説明ができますが、例えばブロック宇宙論では、過去、現在、未来に渡るすべての時間が空間的に
位置づけられている。すると、取り返しのつかない過去や、自分が確実に死んでしまっている一億年後の未来など
というものは存在しないと言う事になります。このことから時間とは、客観的物理世界に実在するものではなくて
[人間が生み出した幻想にすぎない]と言う結論に達します」

「先生、じゃあ、自分で勝手に自分の時間を作っていいんですか?」
「そうですね、人間が生み出した幻想にすぎないわけですから... 勝手にどうぞ」

6 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 10:46:26.10 ID:ZrFoKAfp.net
「ユーミンは、アレンジを呼んでくるし、録音技術呼んでくる。中島みゆきは、
全然関係ねぇ。中島みゆきが歌えば、中島みゆきだ!みたいな。両方いいんですよ、
ジョンとポールじゃないけど。"マッカトニー・ユーミン"と、"レノン・みゆき"
みゆきさん、ハマるとデカイ」とやさしい夜遊びというラジオで桑田佳祐が語っていた。

これはどういうことを言っているのか、はっきりとは断定出来ないが、ユーミンは、
色々知識や情報を外から得ようとするタイプだと思う。反対にみゆきさんは、パソコンも
使ったことがないらしい。最近やっとスマホを使うようになったという話を確か
ラジオ瀬尾さんで聞いたような...そのくらいアナログ人間と言う事だ。

ユーミンがデジタル人間なら、みゆきさんはアナログ人間だと言う事だ。
ユーミンがラジオなどで自慢げに語る知識は誰かの受け売り、[受け売りの知識]

恋愛の教祖のユーミンのお言葉をありがたく思う恋愛依存症の信者ではない僕からしたら
自らは何も語らず歌詞の解釈さえ人それぞれに任せているみゆきさんの方に興味が尽きない。
確かに歌詞の解釈を語らず、聴く人それぞれの解釈に任せるみゆきスタイル。

百人いれば百通りの解釈。みゆきさんの「36時間」という歌を聴いて、時間の概念そのものが
ないことも知らないと思うね。ユーミンならそのことを知ったら自慢げに話すと思うね。
その差が面白い(笑) ユーミンは僕らと同じ凡人だと思うよ。だから恋愛依存症の子たちと
共感・共有ができるんだ。

7 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 11:09:31.43 ID:ZrFoKAfp.net
一日し太陽が昇って沈み、もう一度、昇るまでの24時間ではなく、二度目に昇った
太陽を見届けて、それが沈むまでの時間(36時間)が一日だと、歌の冒頭に書かれている。
この36時間。普通の感覚では一日半だ。今よりテンポを落としてゆっくり生きても

いいのではないかという歌。時間に追われる現代社会。一日の体感時間は24時間よりも、
短く感じる。このせわしない時間間隔で生きていると心に余裕が生まれない。もっとテンポを落とし、
時間の感覚や概念を、ほんの少し変えてみるだけで心に余裕が生まれ生き方も違ってくるものなのだ。

8 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 11:12:30.30 ID:ZrFoKAfp.net
>>7
冒頭の訂正
「一日の太陽が昇って沈み、」

9 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 12:44:51.14 ID:ZrFoKAfp.net
ユーミンの根底に流れ見え隠れするブルジョワジー意識。選民意識的なものが
受け付けない。それは僕が日本人だからだと思う。

金の力が人の価値より上になっている。この権力構造の社会ではどうすることも
出来ない格差が生まれる。だからこそ虐げられている者たちに目を向けなければならない。

10 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 14:28:48.42 ID:ZrFoKAfp.net
能ある鷹は爪を隠す。秘すれば花。日本にはこんなつつましい言葉がある。
才能とは自らひけらかすものではなく、他人が評価するものと心得る。

11 :ジョン・スミス:2022/02/13(日) 20:25:24.54 ID:ZrFoKAfp.net
ユーミンファンには申し訳ない。ピラミッドの格差社会の格差が益々広がっている。
時代だからこそ、あえて言わせてもらった。弱者は切り捨てられ益々生きにくくなり、
助けることさえ困難になっていくかもしれないからだ。

12 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 10:29:39.43 ID:Ltyp+Mze.net
「月はそこにいる」

「今まで色々と量子力学の話を聞いてきたわけですが、20世紀は理論物理学の大きな
転換期が起こった時代です。特に、一般相対性理論と量子力学の発見は、それ以前の

自然観を根底から変えてしまうほどの大事件でした。先生、最後に相対論を生み出した
アインシュタインと量子論の大きな違いは何でしょうか? 誠に失礼なのですが、
もう、残り時間が迫っているので簡単にお願いします」「君、これまた、難題を突き付けて来たね」

「アインシュタインは、自然の摂理には人間の意識を超えた客観性がある」と信じて疑わなかった。
それに対して、量子論のボーアは観測されて現実が確定すると、お互いの考えが相容れず論争になった。
アインシュタイン没後、これが実験で実証されてしまった。アインシュタインが納得できなかった量子論の
奇妙な遠隔作用が実験で証明されてしまった。そんなアインシュタインとボーアが論争していた時期に、

インドの詩人で哲学者のタゴールが、アインシュタインの別荘を訪れます。ノーベル賞同志の対談です。
アインシュタインが「例えば、私が見ていなくても、月は確かにあるのです」タゴールは「それはその通りです。
しかし、月はあなたの意識になくとも、他の人の意識にあるのです。人の意識の中にしか、月は存在しない
事は同じです」アインシュタインは「私は人間性を超えた客観性が存在すると信じます。ピタゴラスの定理は

人とは無関係に存在する事実です」タゴールは「しかし、科学は月も無数の原子が描く現象であることを証明
したではありませんか? あの天体に光と闇の神秘を見るか、それとも無数の原子を見るか、もし人の意識が
月だと感じなければ、それはもはや月ではなくなるのです」・・・・・・・・・。

「深い対話ですね。結局この対話は、噛み合わずに平行線のまま終わります。量子論的な解釈で考えると
タゴールの主張になります。人間の意識で状態が確定するからです」

13 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 10:42:24.74 ID:Ltyp+Mze.net
先に言っておきますが、みゆきさんがアインシュタインとタゴールの対話のように
哲学的視点で「月はそこにいる」を作詞したのかどうかは分かりません。

14 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 11:02:43.47 ID:Ltyp+Mze.net
>>12
10行目「ノーベル賞同士」に訂正

15 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 11:29:54.07 ID:Ltyp+Mze.net
「私ごときで月は変わらない どこにいようと 月はそこにいる」
月が輝く夜の時間との対比として灼熱の砂漠 色んな解釈があるだろうが、
[全ての物事には意味がある]と解釈した。

16 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 11:41:32.30 ID:Ltyp+Mze.net
Everything happens for a reason.

All things make sense.

I believe everything happens for a reason.

こういうことだと思うね

17 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 11:51:31.66 ID:Ltyp+Mze.net
どんな時も月は変わらずそこに居る。

18 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 13:01:20.50 ID:Ltyp+Mze.net
「全ての物事には意味がある」こう思うだけで特に女性は生きやすいと思うね。
男は基本、自分で問題解決できるから、特に、応援や励まし、勇気づける言葉を必要としない。
そんな男と違い女性は共感を得る言葉、勇気づける言葉が必要だと思うからだ。

19 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 13:19:01.52 ID:Ltyp+Mze.net
太古の昔から、男は狩り出かけ、女は集落で共に助け合い協力し合ってきた。
部族間の闘争や狩りなどの外敵にいつ襲われるか分からない状況。常に生死の淵で
生き残る手段を模索して生き残って来た。そのようにサバイバルに強いのが男脳なのだ。

女性は想定しないことが起こると逃げるか、その場に蹲るか、オロオロするだけで
動けなくなるか、的確な判断は難しくなる。だが、男脳はサバイバルにはめっぽう強いのだ。

こんなとこ人が住んでいないだろう無人島や人気のない山奥で仙人のような暮らしで
意外と一人でも生きていけるのが男。サバイバルになったら女はコミュニティーかコロニーで
共に助け合っていく方が適していると思うのだ。

20 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 18:46:08.45 ID:Ltyp+Mze.net
僕がユーミンよりみゆきさんに惹かれるのは、ユーミンの傲慢な性格が好きになれないからだと思う。
それはユーミンの傲慢な性格の中に自分を見るからだと思う。だから人のふり見てわが身を直せと
常に自分に言い聞かせている。そのように人とは不思議なもので人は自分を映す鏡でもあるわけだ。
本当に人間て不思議だ。

21 :ジョン・スミス:2022/02/14(月) 19:18:49.93 ID:Ltyp+Mze.net
中島みゆき 松任谷由実 竹内まりや 3者三様 これだけ違う才能 
その中で中島みゆきの才能は性別を超え異才を放っている(笑)
戸川純とはまた違った異才 戸川純の方が遥かに異才だが

22 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 10:04:45.00 ID:KnsOiDqA.net
「天鏡」

俺は一旗揚げようと田舎から都会へ出て来た。
着いて三日目の夜、都会の路地裏にある一軒の居酒屋に入った。

居酒屋で座敷席で一緒になった年配の男性と親しくなった。その男性に自分の
これからの夢を語った。その年配の男性は俺の話を興味深く聞いていた。

楽しく談笑しているうちに、酔いが回ったわけではないが、引っ越しの疲れが
出たのか、緊張がほぐれ、リラックスしたのか、強い眠気が襲って来た。

俺はうつらうつらし始めた。そんな俺の様子に気づいた年配の男性は
「そこの座布団を二つに折り枕にして、少し休んだ方がいい」と言われ、
お言葉に甘えて座布団を二つに折り枕にして眠ることにした。

 ...俺はある骨董屋の中に居た。骨董屋の店の中を色々見て回っていると、
導かれるように引き付けられたものがあった。 - それが " 手鏡 " だった -

 そんな俺の様子を見ていた初老の店のご主人は、
「その手鏡に映った自分の姿を眺めるだけで、全ての望みが叶うよ」
俺は「ええーっ、マジ?本当ですか?」半信半疑でもう一度、初老の店のご主人に念を押してみた。

「疑り深い人だね。ただね、注意しなければならないのは、望みは叶う反面、その逆の働きは同じ力を持つ。
叶う力も強いが、失う力も強い。得るものが大きいほど、失うものも大きくなる鏡だ。

そして多くのものが競って、この鏡の奪い合いが始まれば、大変なことが起こる。
そのくらい恐ろしい力を秘めている魔鏡だ。試してみるか、どうする?」と言われ、
俺は内心、ドキドキしながらもその鏡の魔力に引き付けられ買ってしまった。

それからというもの、やることなすこと信じられないくらいとんとん拍子で出世していく。
そして地位も財産も名誉も権力すべて手に入れ、いつの間にか国を支配するほどの力を持つ者になっていた。

その鏡の噂は近隣国から瞬く間に世界中に広がり、その鏡を手にいれようとする勢力及び、
世界中の権力者が、その鏡を手に入れようと躍起になる動きが一斉に始まったのだった。

この魔鏡の恐ろしさを聞かされていた俺は「大変なことになった!!! どうすればいいんだ!
どこかに隠そう。どこがいいんだ!」と慌てふためいていると、" 突然 " 爆発!
「わああああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 ......... - ここで、" 目 " が覚めた  -
「おう、目覚めたね!」と居酒屋で親しくなった年配の男性。

「俺、どのぐらい寝てました?」と聞くと、年配の男性は「ほんの数分じゃないかな」と言う。
「ええーっ、ほんの数分??? そんなバカな?」とても信じられなかった。
 あの「ロード・オブ・ザ・リング」の魔法の指輪の様な魔力を持った鏡の夢物語の栄枯盛衰。
 それがたったの数分の出来事?  - まるでキツネにつままれたような夢だった -

我々はこの世の96%は見えていないらしい。人が見えている世界は4%にすぎないという。
この宇宙は11次元だという。12次元にモナドという神の領域があるのではないかと言われている。
  それが[宇宙を映し出す永遠の生きた鏡] …  そしてこの世も実は自分を映す鏡だというのだ。
 - 宇宙を映し出す永遠の " 生きた鏡 " ... 
           それは、ひょっとしたら、我々を観察する巨大な " 瞳 " なのかも...
        

23 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 10:18:08.96 ID:KnsOiDqA.net
「天鏡」天理教の話ではない。みゆきさんが天に鏡があるのではないかという考えから
作られたものだと思われる。先に言っておくが、僕は無宗教。人間が作った宗教全般には
あまり興味はない。ただそれで救われる人が居るならそれでいいと思う。

僕は基本何を信じようとかまわないと思う。信仰の自由があるから否定はしない。
ただ人に迷惑をかけず、自分たちで信仰しているならそれはそれで構わないと思う。

24 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 10:24:54.51 ID:KnsOiDqA.net
僕は常々この我々の世界を覗いているというか、観察している大きな " 瞳 " の様な存在
があるのではないかと思っていたからだ。

25 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 10:33:17.90 ID:KnsOiDqA.net
>>22
3行目「居酒屋の座敷席で」に訂正

26 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 11:38:26.92 ID:KnsOiDqA.net
宇宙物理学、理論物理学のロジャー・ペンローズとアリゾナ大学准教授
スチュワート・ハメロフの量子脳理論では、私たちの意識は量子情報。
素粒子だと言う事だ。宇宙にはビッグバン発生時には既に存在していたであろう
[原意識]というものがある。人は死ぬと脳内の意識が量子もつれによって、
宇宙空間に存在する[原意識]と繋がるという。

これはどういうことかと解釈すると、原意識とはいわゆる神の様な存在みたいなものかな。
私たちが死ぬとこの原意識に観測され、脳内の量子情報、すなわち私たちの中にある
原意識(魂)が量子もつれによって繋がるのではないかという話。

この原意識が神という存在なら、普段からこの世に居る誰でも、構わないが、
誰か特定し観察しようとすると一瞬で繋がり観測している可能性があると思うね。

27 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 17:14:21.08 ID:KnsOiDqA.net
>>24
この世界(地球)を支配し監視しているプロビデンスの目の支配者たちがいるんだから、
太陽系、銀河系、そしてこの宇宙の外からこの世界に住む我々を覗いている " 瞳 " が
あるのではないかと思っている。

28 :ジョン・スミス:2022/02/15(火) 17:30:24.44 ID:KnsOiDqA.net
これから監視社会になっていくのだろう。人間の技術は神の領域まで近づくことはあっても、
神の領域を超えることはない。量子コンピューターが従来のコンピューター。

例えば、高性能計算9年連続1位のsupercomputer京。このスパコンが一万年もかかる
演算計算を一瞬で解いてしまうのが量子コンピューター。この核が量子ビット。

もし、この世が巨大な量子コンピューターだったら、この世の創造主(神とした場合)が
いたら、宇宙の外から、この地球にいる私たちを特定し、観察することは可能なのだ。

29 :ジョン・スミス:2022/02/16(水) 09:21:19.79 ID:J/hshCp4.net
「Tell Me,sister」

幼い頃から、自分の容姿に自信がなかった。鼻は低いし、ブサイクだと
自分を責めて生きて来た。いつも自分を責め傷ついていた。

そんな私の内側に出来た傷は、いつの間にか化膿していた。
いつも自分の中で、美しい人だけが幸せになれるという人生観を持っていた。
だから綺麗な人を見るたびに、いつも羨ましく思って生きて来た。

そんな容姿と幸せを繋げた考えが、私の劣等感を作り上げていった。
そして私は壊れた。長く伸ばしていた髪の毛をバッサリと切り落としたのだ。
鏡に映る無造作に切り落とされたショートヘアー姿の私を睨みつける私。

どんなヘアースタイルにしても、どんな洋服を着ても、似合わない私に腹が立ったのだ。
自分の容姿を好きになれない可哀そうな自分。そうやっていつも自分を責めて生きて来た。

時は流れ、ある日突然、クラスの男の子たちの憧れ的存在だった、あの美しい彼女が亡くなって
いたことを知る。それは突然かかってきた友達の電話での話の中で知った。

彼女は私の理想でもあり、憧れの存在だった。彼女になれないと、分かっていても、
いつも彼女を理想にし、目標に生きて来た。整形も考えた。ブスな私に嫌気がさし、
何度も死のうと自殺を図り、リストカットを繰り返していた私。生きるって何だろう。

何のために生きているのだろう...ふと、そう思った時、空耳なのか、亡くなった
おばあちゃんの声がした気がしたのだ。いつも私が容姿に自信がなく悩んでいた頃、
口癖のように言っていた言葉。「そのままでいいんだ」そうやっていつも微笑むだけだった。

「そのままでいいんだ。お前は、そのままで十分可愛い。生きることは辛く苦しいことが
多いのは当たり前だ。それを乗り越えていくために生まれて来た。お前の体は神様から
授かったものだ。授かったものには何らかの意味がある。だから、そのままでいいんだ」

30 :ジョン・スミス:2022/02/16(水) 12:29:51.54 ID:J/hshCp4.net
女性はどうしても自分を責めてしまうから、悩み事を聞いてくれる人が傍に居るといいね。
男と女の人では悩みも解決法も全く違う。女性は別に問題解決してもらわなくても、

心に寄り添い話を聞いてくれる人が居ればいいね。人それぞれに深刻度も違うけど、
男は問題解決策を練るが、女の人は心の癒しで十分なんだよね。どちらでもいいんだ。

31 :ジョン・スミス:2022/02/16(水) 22:02:22.71 ID:62UQxUmq.net
「Tell Me,sister」いいよね。コンサートで唄ってほしい。
同じアルバムの「粉雪は忘れ薬」もいい。

32 :ジョン・スミス:2022/02/17(木) 09:53:23.51 ID:4Sjc0qlZ.net
「サバイバル・ロード」

 - あれは去年の夏の終わり頃だった...
その日、仕事の合間に街のカフェでコーヒーを飲みながらゆっくりしていた。
不意に持っていたスマホが鳴った。取り出してから着信を確認すると会社からだった。

受信ボタンを押して出る。「はい、北村です」ー「あ、俺だ! 今すぐ帰社してくれ!」
ー「分かりました」社長の黒崎からだった。 一言言って切り、会社へ向かった。

ここからだと歩いて15分ほどで着く、ビル風を受けながら段々と、
夏が終わりかけていく街の光景を見る。

帰社すると、不意に前方からスーツ姿の壮年男性が近寄って来た。
恰好からして検事だ。 - 逃げられない ・・・
そう思って立ち止まると、 一人が、
「北村源治さんですね?」と
訪ねて来た。 案の定、検察官。
「○○地検まで、御同行願えませんか?」と言い。俺を連行した。
既に検察は鍵つけていたのだった。

あの不正な○○記録の実態を。
そして黒崎のいる社長室にも、ガサ入れが入っているようである。
これで一巻の終わりだと思った。地検で聴取される際、今回の件は、一切黙認しようと考えていた。

下手に口にすると、社に更に迷惑を掛けてしまうので警戒していた。
地検の調査は恐ろしいのだから・・・・・・・・・。

この連中にとって、会社の一つ潰すくらいのことは訳がないのだし・・・。
乾いた街の一角から、ワゴン車に乗せられる。そして車両は○○地検へ向かった...

33 :ジョン・スミス:2022/02/17(木) 09:58:45.13 ID:4Sjc0qlZ.net
>>32
下から8行目「既に検察は嗅ぎつけていたのだった。」訂正

34 :ジョン・スミス:2022/02/17(木) 10:02:47.01 ID:4Sjc0qlZ.net
>>31
いいですよね。僕も好きです。

35 :ジョン・スミス:2022/02/17(木) 18:43:11.03 ID:4Sjc0qlZ.net
「サバイバル・ロード」

時間は午後10時に近かった。環状八号線の車のラッシュ時と
あまり変わらなかった。

「どこかで事故があったのでしょう」と遠山のお抱え運転手の吉田が言い訳めいた口調で言った。
高速三号線を下りてから、普段なら10分足らずの距離を倍近い時間をかけ、私鉄の上野毛駅を
過ぎてやっと右折する。途端に車は、落ち着いた住宅街の静寂な闇に包みこまれた。

「あと二週間か」と遠山が意味のない呟きをする。二子多摩川園に向かっていた車が右折、
大谷石で囲った門構えの二件目で停まった。薄暗い門灯が枯れた街路樹を映していた。
運転手の吉田が先に降り、門扉を開けてから車の後部座席のドアに手をかけた。

遠山がそんな運転手の吉田にうなづいて、車から降りようとしたその瞬間、どこに隠れていたのか、
黒皮のジャンパーとコートを着た屈強な三人の男たちが、降りようとした遠山のベンツを取り囲んだ。
運転手の吉田も男たちの気配に全く気付かなかったと見え「あっ!」と声をあげた。

パワーウィンドウを開ける指示をする。遠山が明けると
「大和電鉄の社長の遠山慶一郎さんですか?」
厳つい顔をした革ジャンの男が腰をかがめ気味に、遠山を確かめるように呟いた。

「君たちは何者だ?」そんな男たちの態度に、遠山をかばうように立ちはだかった
運転手の吉田が、懸命な口調で睨み返した。

一見して暴力団員とわかる服装の服装の男たちだけに、遠山は何が起こるかわからないと思った。
だが、革ジャンの男は首を振りながら不器用に表情を崩した。
「見てもらいたいものがあって待っていたんです」「なんだ?」

36 :ジョン・スミス:2022/02/17(木) 18:46:13.44 ID:4Sjc0qlZ.net
>>35
下から8行目「遠山が開けると」に訂正

37 :ジョン・スミス:2022/02/17(木) 19:02:22.98 ID:4Sjc0qlZ.net
>>35
下から3行目「暴力団とわかる服装の男たちだけに」に訂正

38 :ジョン・スミス:2022/02/19(土) 07:28:00.49 ID:I8F4BTVn.net
「あした天気になれ」

俺には苦手な部長がいた。天邪鬼というか、へそ曲がりで、ひねくれ者、
俺のやることに対して、いつも何かと逆のことを言ったり、文句ばかり言う。

そんな変わり者で、飲みに誘っても来ることはないし、忘年会なんかでも、一人淡々と飲むようなタイプ。
そんな感じで、いつも怒られていた。そんなこともあって凄く苦手な人だった。

ある日のこと、部長の解雇を伝える社内ニュースが全員に届いた。
あのむかつく部長がいなくなる!! 心の中でガッツポーズ!!! したのは決して
 - 俺だけじゃないはずだ -  嫌な奴が居なくなって清々したのは  -

それから一週間後、部長の最後の出勤の日。
退社のセレモニーが終わるとみんなそそくさと帰っていったが、
部長と俺だけが居残って仕事を片付けていた。

送別会の開催も、自ら断った部長を苦々しく思っていると、
珍しく専務から呼び出された。しぶしぶ専務室に行くと、
常務と専務が待ち構えていた。

 - 俺は、そこで初めて常務から部長解雇の真相を知った。  - " 原因は俺だった " -

 ーーーーーーーーー 俺のミスの責任を全て部長がかぶってくれたらしい。

話を聞いていて、たまらなくなった俺は、急いで部署に戻ったが、既に部長の姿はなかった。

ふと、自分の机の上を見ると、封の開いた買い置きの煙草があった。
既に一本無くなっていた。
     ー 横に添えられたメモにはこう書いてあった ー

「これぐらいは貰っていくよ。 君には期待していた。君ならきっとできるよ。 頑張れ!」

39 :ジョン・スミス:2022/02/19(土) 13:34:23.08 ID:I8F4BTVn.net
「驚いたね〜こっちも緊張したね〜女の人は苦手だね(笑) ステージで一緒にやるのは
僕は女の人は普通無いですね。まあ中島さんも、あんまり人とやるのは無い… 
ひょんなことで " やろうか ? " って言ってくれてね… (場内拍手)。

かまやつさんも中島さんもいい人ばっかりでね(笑) みんな歳を経て
来たからいい人になったんだよね(笑) 
若い頃は嫌な奴だったんだきっと(客席爆笑)」
「中島みゆきにもう一回拍手を… (場内拍手)」

みゆきさんも若い頃は突っ張っていた。生意気で頑固者でよく衝突していた。
僕もそうでした。昔の人はそんな人が多いと思います。
ユーミン、みゆきさんに拍手を 完璧な人間なんていません!

40 :ジョン・スミス:2022/02/19(土) 22:43:53.25 ID:C3iy7aQu.net
糸!

41 :ジョン・スミス:2022/02/20(日) 07:26:51.53 ID:Tb7LEFXa.net
「時刻表」

その昔、大学の同級生の女の子にガリガリに痩せた子がいた...
細身の娘が好きだったおかげでお声かけ。...程なく恋仲に...

ある時「心臓に大穴が開いていて、苦しい... 子供も無理と
諦めるなら… 今のうち!」と告白された。

本人は死ぬ気だったらしい... 迷うことも無く、恋人のまま。
出来る手術があるのならと方々の心臓外科を探し回って...
何とか手術までこぎ着けた。  ー " ドキドキ " ー 無事成功した!

嬉しかった! 術後も良好。 でも、子供は無理と言われた! 受胎しないだろうと
言われた。当然、親同士は結婚に猛反対! 俺の親は勿論、向こうの両親も無視。
無視続けても、説得し続け、6年かけてやっと挙式、そして入籍。

10年後、余程経過が良かったのか、妊娠が発覚!
主治医に相談したら、妊娠できたのなら、出産は問題ないでしょう
「挑戦しましょう!」と言われ、俺の女房だぞ! 俺の子供だぞ! 
大丈夫なんだろうなぁー " ドキドキ "

無事出産! 3000g 「元気な男の子です」と言われ、
あまりの " 嬉しさ " に飛び跳ねていた!!!

半年後、かみさんに似たような心臓障害発覚!
「成長しないだろう」ってどういう事?
「様子を見ながら、出来るものなら、手術をしましょう」
かみさんの執刀医の紹介で、小児心臓外科の先生にお願いする。

大事な一粒種だぞ! 殺すなよ!! 頼むから…  - " ドキドキ " -
- 無事成功した - これ以上ないくらい喜ぶ!!!

 … あれから15年の歳月が流れたか、... …
朝から物思いにふけっていると、さっきまで台所に居たかみさんが
「何朝からボーっとしてるの。さっさと済ませて、遅刻するわよ!」と、
今、目の前にコロコロ太ったかみさんがいる。

ちょっと注意をすると
「うぜえんだよ! 親父!」と憎まれ口を聞く、ちょっと小ぶりな反抗期の男子高校生いる。

ここに、さえないサラリーマンのごく普通の一家がある。

家を出て、いつものように駅に着く...
今日も何気ないプラットフォームの人の流れの中でそっと時刻表を見上げる。

42 :ジョン・スミス:2022/02/21(月) 07:32:34.99 ID:5RN2HtO1.net
「流星」

「ふあぁぁ〜」と仮眠をとっていたが、バスが止まった気配で目を覚ました。
トラックを降り、自動販売機に向かう。ガシャン!と缶コーヒーを取り出す。
ブラックがないなら仕方ない。甘ったるいけど、温まるならこれでいい。

長距離トラックの運ちゃんの仕事も、長くやっているとルートルートごとに決まった
サービスエリアに立ち止まる事が多くなる。いわゆる行きつけって奴かな。
「おばちゃん! 今日も元気だね」
「おうよ、あたしゃ、いつまでも現役だよ! あんたこそ、この頃、老け切ってるよ。
あたしより先に行くんじゃないよ!」
「言うなぁ〜 おばちゃんも。 ワハハハ」

食堂のおばちゃんとも、すっかり顔なじみだ。メニューも、ほとんど頭に入っている。
とはいっても、いつも食うのは、掛け蕎麦オンリーなんだけどな。

俺は、掛け蕎麦をいつものように5分ですすり、食器を返却棚に下げ、食堂を後にして、
トイレに向かった。そうそうトイレに行く途中に飲み物の自動販売機がある。

さっき飲んだけど、いつも食後に、缶コーヒーを買って飲む習慣になっている。
今日は一段と身体が冷え込む。「もう一本飲むか」
そんな時、「おじさん!」と言われ振り向くと「おっ! お姉ちゃん」

「おじさんとは、この前、あった時「お姉ちゃん、寒いからこれ飲めよ」って、
温かい缶コーヒーを投げてくれて、「じゃあな、」って
トラックで行ってしまって以来だからね! 今度は、私がおごるね」

「おう、アリガトね! ...俺にも、今はいないけど...
12年も前に病気で亡くなった一人娘が居てね。 ...生きていれば...
今年、成人式だったかなぁ〜」と俺は語った後、
- これ!- と言ってポケットから出して姉ちゃんに見せた。そんなボロボロになった革の財布。

「この財布は、亡くなって今はいない娘からの父の日のプレゼントなんだ。
だから、中々捨てられなくてね。ボロボロになっても大切に使っているんだ。
そして俺のお守りにもなっている。ワハハハ」

ーーー だから、俺の心の中には、幼い頃の娘の無邪気で元気な姿が今でもいるんだよ。

43 :ジョン・スミス:2022/02/21(月) 07:44:28.14 ID:5RN2HtO1.net
>>42
8行目「あたしより先に逝くんじゃないよ!」に訂正

44 :ジョン・スミス:2022/02/21(月) 21:45:41.84 ID:5RN2HtO1.net
>>42
13行目「そしてトイレから出た途中に飲み物の自動販売機がある。」に訂正

45 :ジョン・スミス:2022/02/22(火) 08:03:21.21 ID:LaiXcapm.net
「希い」

閉めたままのカーテンの隙間から、日曜日の眩い朝の光が差し込んでくる。
家の外からは、まだ目覚めたばかりの街の外の通りから僅かな喧騒が聞こえてくる。

近くを走る車やバイクの通り過ぎる音。耳を澄ますと聞こえる小鳥たちの鳴き声。
カーテンの閉じ目から差し込む朝日が顔を照らし目が覚めた。カーテンの隙間から差し込む
あまりにも明るく強い光。ベットから起きて、壁にもたれかかって座りながら、

暫くの間、そんなとりとめのない街の僅かに聞こえる外の音に耳を澄ませていた。
夜遅くまで起きていたからまだ眠い。眠い目をこすり、重たく感じる全身に鞭を打って顔を洗いに行く。
台所では、おふくろがサバを焼いていた。無言の台所に響くのは、おふくろがひたすらに魚を焼く音。

青魚の油が熱せられ、台所いっぱいに香ばしさが広がっていた・・・
今日は休日だったなぁ〜 俺はテーブルに着くなり、先日、コーヒー通の木村が話していたことを思い出す。
そういえば、木村の奴、こんなこと言っていたなぁ〜 木村「インスタントコーヒーを飲む時に、
粉を水で溶いてから、お湯を注ぐと、インスタントコーヒーが、本格コーヒーになる」

俺「嘘やろ! 信じられん!! マジか!?」
木村「騙されたと思って試してみろ! 本当に美味しくなるから」と、ドヤ顔で、言っていたな...
半信半疑で、木村が言った通りにやってみると「おおっ! 香りも味もいい」やっと眠気が覚めた。

どれと、今朝の朝刊に目を通す。一面も三面記事も、どれも相変わらず、
人間の欲が引き起こす、欲にまみれた欲深い事件や事故ニュースばかりだ。

「おふくろ、ちょっと散歩に行ってくる」「もうすぐ出来るから。食べてからにしなさい」
「近くの神社まで、30分くらいの散歩で、すぐ戻ってくる。帰って来てから食うよ!」
「ほんとに、しようがない子だね」

神社に着くと、神社には絵馬が沢山あって「あまり良い趣味じゃないな」と思いながらも、
他人の色々な願い事などを見ていた。受験・合格発表・入学シーズンと言う事もあり
「大学に合格しますように」とかの願掛けが多かった。

他に商売繁盛、「○○さんと一緒になれますように」などの縁結びなど...
その中で、一番小さく安い絵馬板に書かれた幼く可愛い文字に目が釘付けになった!

-「おかあさんの びょうきを なおしてください かみさま おねがいします」- 
 多分、幼い女の子と思われる幼く不揃いな文字で書かれてあった...

...事情は、勿論分からない...どんな子なのかも、親がどんな重い病気なのかも知らない...
 - けど、この子の願い事が、叶うように心から願い祈る。。。。。。。。。

    … 希いよ届け! … この子の希い … " 願掛け " をした …
俺は、今まで願いなんて、口に出したことなかったけど...

- 本当に、この子のささやかな " 願い " が叶いますように...
   強く希えば必ず叶うだなんて嘘は言わないし、思わないけど... 
  
     ...どうか、神様、この子の願いを叶えてやってほしい!! ...
               切に望む ...切なる願い...お願いします!!!
...俺はこれほど強く願ったことは今までなかった... とても強く願うことを[希い]と言うらしい...

46 :ジョン・スミス:2022/02/22(火) 15:37:59.87 ID:LaiXcapm.net
>>45
17行目「人間の欲が引き起こす、欲にまみれた欲深い事件やニュースばかりだ。」に訂正

47 :ジョン・スミス:2022/02/23(水) 07:50:44.34 ID:oJmbypmN.net
「歌姫」

 … 初夏、私は麦わら帽子と白いワンピースで海辺に立っていた...
白く泡立つ波打ち際。濃い潮の香り、手に取ってみると、ざらざらとした砂の感触。

波打ち際を低く飛んでいたカモメが、遠くに見える灯台の方へ飛んでいく...
広く青い空、白い雲、その先に広がる水平線。水平線の彼方、遠くに船が見える。
産みの表面がキラキラと輝いて見える。

潮の香りと波の音が心地よく耳を優しく刺激する。たっぷりと潮を含んだ潮風が、
頬を撫でていく。海を渡る風が起こしたさざ波が、時折、水面を走り抜けていく。

私の目の前の白い砂浜の波打ち際を、若いカップルが燥いでいた。
女の子はパンプスを脱いで、両方の手に持って、波と追いかけっこを始めた。
男の子も、急いでスニーカーを脱いで彼女に駆け寄り、彼女と一緒になって波を
追いかけっこしている。波打ち際で、ふざけあっている二人が微笑ましく眩しい。

-「おう、冷てぇー」- と男の子が燥ぐ。まだ海水は冷たそうだ。
裸足になって、波打ち際を走り回り、やってくる波を楽しそうに蹴散らかしていた。
波は音を立てて砕け、そして勢いよく退いていく。白く細かいしぶきが眩しく
光っている。白く泡立つ波打ち際。眩しいぐらいの日差しの中、じゃれあう二人。

日差しが強いので、近くの木陰まで歩いて休息。そんなには遠くないところで、
砂浜に座って青年がハーモニカを吹き鳴らしていた。そのスローなメロディーが、
心地よく潮風と共に聴こえてくる。目を閉じて聴いていると、昔、外国船
クルーズに乗って船旅をしていた頃を思い出してくる...

痩せて背が高い外国人の船乗りが、ハーモニカを吹き鳴らしていた記憶...
そして遠ざかる船のデッキに佇む自分の姿が見える...
 - あの頃の自分が蘇ってくる ーーーーーーーーー

48 :ジョン・スミス:2022/02/23(水) 08:13:41.25 ID:oJmbypmN.net
>>47
5行目「海の表面」に訂正

49 :ジョン・スミス:2022/02/24(木) 07:34:55.28 ID:ijQQ0ZLP.net
「最後の女神」

私が8歳で弟が5歳の頃、当時、母が病気で入院してしまい、父が単身赴任中で、
私達は父方の祖母の家に預けられていました。

母や私達を嫌っていた祖母は、朝から夜遅くまで舞踊のお稽古に行き、私達の世話は
一切してくれません。そこで、私達はいつも近所に住む高橋さんという方の家で
ご飯を頂いていました。

ある日、母が一日だけの許可をもらって退院することになったのです。
本当は体がとてもきつかったのに、母は甘えつく私達を何回も抱っこしてくれたり、
夜は三人で歌いながら、楽しくハンバーグをこねて作っていました。

「今日は、お母さんが帰って来たので、ご飯はおうちで食べます」と、
高橋さんの家に、あいさつに行った時の弟の何か、誇らし気な表情を見て、嬉しくなった私は、
その紅潮した頬っぺたに何度も、自分の頬っぺたを擦り付けで家に帰りました。

家に着くと、料理が食卓に並べられ、母は暖かい牛乳を差し出して
「おばあちゃんが帰って来たから、ちょっと待っててね。皆で食べようね」「うん!」
私達が高橋さんの家に、行っている間に帰って来たらしい。暫くすると、
着物から着替えた祖母が台所に入って来た。

「お義母さん、お食事の用意が出来ていますので、どうぞお掛けになってください」
その言葉を遮るように祖母は「病人の作ったものが、食べられますか! 何が感染するかわからないのに!」と、
母が作った料理を全て残飯の入ったゴミ袋の中に捨てて言った。

「も、申し訳ありません...」
さっきまでニコニコしていた母の顔から、一気に血の気が引いていくのがわかりました。

「ばかやろ!」と " 突然 " 、弟が叫んで!!! 、祖母からゴミ袋をひったくった!!
小さな体で祖母の前に、仁王立ちになった弟は、祖母を睨みつけながらゴミ袋から母の作ったご飯を
手ですくって食べ始めた。「俺はなぁ...俺はなぁ...」… 小さな " 肩が震え " ている …

弟は後の言葉が、出てこず目から涙をボロボロ溢しながら貪り食っている。小さな肩を震わせ、必死に強がって、、、
それを見た私も、見てられずに大泣きしながら、ゴミ袋からハンバーグを掴み取って食べました。

その光景を見た母は「もう、いいのよ。やめて、二人とも。いいのよ。お願いだから...」
泣きながら止める母の声も無視して、私達は貪り食い続けました。

 これが、私達姉弟の...最後の母の味に......
 - 悲しさと悔しさ、涙いっぱいの最後のおふくろの味になりました.........

50 :ジョン・スミス:2022/02/24(木) 07:47:42.20 ID:ijQQ0ZLP.net
この作品はTBSニュース報道番組news23のエンディングテーマソングとして作られた。
子供たちにとって、特に男の子にとって、自分を生んで育ててくれた母。
見返りを求めない母親の無償の愛は一番身近な女神だと思います。

51 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 07:34:44.57 ID:ojXNpV18.net
平和ボケしているとわからないけど、パンデミックが始まった頃から気付いていた人は
気づいていたはず。今は慌てず、冷静の状況を見る必要がある。

52 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 07:44:09.76 ID:ojXNpV18.net
ロシアのウクライナ侵攻が始まったから戦争状態突入ではなく、パンデミックが
始まった時から、既にそういう状態だった。だから今は慌てずに、冷静にこの状況を
観察する必要がある。我々には何もできないからだ。実は国、民族、人種ではなく、
この世界を支配している人たちが居るから起こる事。我々はどうすることも出来ない。

53 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 08:05:50.84 ID:ojXNpV18.net
全ては天任せ。

54 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 09:04:28.00 ID:ojXNpV18.net
人一人一人の意識、当然、支配者たちも含めた全人類の意識と地球の意識は繋がっている。
(地球も一つの生命体ガイア、テラ)と捉えた場合。

そしてこの宇宙とも繋がっている。そう考えた場合、この世で起こることすべてに
何らかの意味があると思っている。そして我々にはどうすることも出来ない以上、
状況をただ見守るしかないのだ。そういう意味での天任せ。

55 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 12:53:27.81 ID:ojXNpV18.net
今年は特に注意深く状況を見ないといけない事態が増えてくるかもしれない。
ウクライナ、東シナ海、中東、これらの地域に ロシア対ウクライナ、
米国対中国、パレスチナ対ユダヤ 特に米中戦争が始まったら、日本は戦場だ。

中国の一番身近な敵国が日本だからだ。そうなると米国は引き上げ、日中戦争に
なるだろう。そうなると民族が近い者同士の骨肉の争い。中東戦争、日中戦争、
ウクライナ対ロシアの戦争 民族が近い者同士の骨肉の争いは長引く。
何故なら憎しみが深くなる危険があるからだ。

56 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 22:44:44.52 ID:ojXNpV18.net
旧約聖書通りのエゼキエル戦争になったら人類は終わる。
ロシア、イラン、トルコなどの国がイスラエルにちょっかいを出すと世界は終わる。
最終戦争ハルマゲドン。新約聖書、コーランは旧約聖書から生まれた。旧約聖書の

写本が死海文書。そうなった時、人類の滅亡を救うのはイスラエルのメシア。
東方から現れるイエスの血を引く救世主。これが日本を差すと言われている。
北米最古の民族ホピ族の予言でも過去三度滅びた。四度目の文明が滅びようとしている。

その救世主は日本から現れると言っている。死海文書、ホピ族の頃にはヨーロッパの国々や
アメリカの国々がまだなかった頃、既に日本という国はあったのだ。
実は日本が世界最古の文明を持つ。世界は日本から始まったのだ。

日本に住む日本人も知らない歴史があるのだ。
エギゼエル戦争が起きると支配者も含めた人類は滅びるのだ。
実は今の支配者はそのことを知らないのだ。起きてしまってからでは手遅れだ。

自分たちの物差しでこの世界を見ている間は実は本当のことは解らないのだ。
プロビデンス目のピラミッド構造も、この世界のピラミッドの支配構造そのものが実は
バベルの塔だからだ。死海文書、ホピ族の予言どおり日本から本当に

救世主が現れれば人類は助かるはずだ。世界中の古い預言書や古書などに
人類の救世主は日本から現れるとなっていることが多い。
日本が救世主が現れなければ人類は滅びると言う事なのだろう。

57 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 23:00:11.12 ID:ojXNpV18.net
シュメール文明は日本超古代文明から生まれた。

58 :ジョン・スミス:2022/02/25(金) 23:31:27.64 ID:ojXNpV18.net
我々は学んできた物差しでこの世界を見る。そんな固定概念でこの世界を見ても、
本当のことは解らない。例えば「月は天体ではないよ。宇宙船の様な人工物か
もしれないよ」と言われたら、

「何馬鹿なこと言ってんだ! 馬鹿かおまえは! 中二病か? ワハハハ」となるはずだ。
「この地球が宇宙の監獄かもしれない」と言うと
「おまえ頭狂ったか? 馬鹿かおまえは!ワハハハ」となるはずだ。

そのぐらい我々は自分が学んできた固定概念という物差しでこの世界を見る。
実は学んできたこと自体が怪しいと言う事自体疑わないのだ。

59 :ジョン・スミス:2022/02/27(日) 18:25:46.90 ID:qvT1nn13.net
ここでいう僕のつぶやきは中島みゆきとは全く関係ありません。当たり前のことだけど、
誤解する人が居るので一応言っておきます。

60 :ジョン・スミス:2022/02/28(月) 11:26:30.47 ID:A5rcofvs.net
ウクライナの地域は過去ハザール帝国があった。ハザール系ユダヤ人の地域。
今イスラエルに居るアシュケナージム・ユダヤ人はハザール系ユダヤ人である。

61 :ジョン・スミス:2022/02/28(月) 11:47:52.24 ID:A5rcofvs.net
戦争が長引くとヤバいかもしれない。

62 :ジョン・スミス:2022/02/28(月) 12:49:42.75 ID:A5rcofvs.net
「ひまわり"SUNWARD"」

 …あれは去年の夏だった...。
休みで家でゴロゴロしていた俺に、嫁が息子の学校に忘れ物、
届けに行ってと言う。息子が忘れて行ったらしい。

仕方なく、学校に行くと、学校は中休みで、子供たちが校庭で遊んでいた。
夏の強い日差しの中、校庭の周りに咲くひまわりが真っ直ぐに太陽を見上げていた。

正面玄関を抜けた所にある花壇で、軽い障害のある子が、上級生らに囲まれて泣いていた。
頭にヘッドギアを付けた。おそらくは肢体不自由の他に知的障害もあるであろう
特殊学級の男の子がしくしく泣いている。その子に対して勝ち誇るように、

その中でガタイのデカイ、リーダー格の一人が「やれよ、時間がねぇんだよ!
やんなきゃ殺すぞ!!」と、凄んでいたのは、俺の " 息子 " だった!

俺は背後から、息子の髪を掴んで地面に叩きつけた!「何するんだ!! てめえ!!! あっ! 親父!?」
まさか、ここに居る訳のない親父の顔を見て、信じられない様子の息子。

その息子の胸ぐらを掴んで立たせて、顔面を殴った。生まれて初めて親父に殴られた恐怖に、
顔をこわばらせる息子。そんな息子に「その子の痛みが、分からんか!!! お前と違って、
大変な思いをして生きている子を虐めやがって!!!」… 俺の怒りはマックスに達した …

嫁が言うから、小さい頃から情操教育に気を使い、人に優しくあれと教えて来たつもりだった...
小さい子、弱い子を守る事の美徳を教えてきた。こんな陰湿ないじめをするクソガキに育ったのは
俺の責任だ! そう思うと、悔しくて情けなくて、また息子を殴った。親父の愛の鉄拳だ!
鼻血を出して、うずくまる息子。そんな息子を見下ろして仁王立ちになった俺。

その光景を見ていた担任や他の先生方が、
    …  一斉に職員室から飛び出してきて、三人ががりて止められた  …

63 :ジョン・スミス:2022/02/28(月) 12:57:32.97 ID:A5rcofvs.net
こういう場面での自分の息子に対して、こういう親父の鉄拳は時には必要だが、
国に対する侵攻となると、そう簡単にはいかない難し問題。早く終息を祈るしかない。
ロシアが撤退することを祈るしかない。

64 :ジョン・スミス:2022/03/01(火) 09:38:36.36 ID:/elj6n/D.net
「愛だけを残せ」album version.

私には妻が居たが、一人娘が一歳と二か月の時、離婚することになった。
理由はもともと酒癖が悪く暴力を振るう癖があり、幼い娘に危害が及ぼす事を
恐れた妻が子供を守る為に選んだ道だった。

今は深く反省し、付き合いでも、一滴も飲まないようにしている。
だからと言って、よりを戻してくれなんて言えないことも理解している。
元妻と娘には幸せになって欲しい。その気持ちに嘘はない。

離婚する時、私は妻と約束をした。年に一度、娘の誕生日だけは逢いに来ても良いと言う事と、
自分が父親であることを娘に明かさない事。そして、私は娘の誕生日に普段着ないスーツを
着て会いに行った。元妻は、私のことを遠い親戚のおじさんと紹介した。

それ以来、娘は私のことを見知らぬおじさんと言うようになった。
娘が小学校に上がる年の頃。例年の通り、スーツを着てプレゼントを持ち訪れると、
元妻から突然、「もう会いに来るのは、最後にしてほしい」と言われた。

そろそろ色んな事を理解してしまう年頃だからという理由からだった。
娘もやがて一緒に誕生日を祝う友達が出来るだろう。元妻も再婚を考えている
のかもしれない。そんなことに見知らぬおじさんが居てはいけない。

年に一度、家族の時間を繰り返せば、いつかは二人が、私をお父さんと呼んでくれる日が来る
かもしれないと勝手に信じていた私が愚かだった。一度壊れてしまったものは元には戻らない。

それ以来、会うことはなくなった。でも、娘の誕生日は毎年プレゼントは贈り続けた。無記名で。
それを元妻は娘に渡していたかはわからない。それも今年で最後にすることにした。

それから一ヶ月ほど経ったある日、私のアパートに郵便物か届いた。差出人は書かれていない。
小さな箱を開けてみると、水色のネクタイピンとメッセージカードが添えてあった。

メッセージカードを開くと、「いつも、素敵なプレゼントをありがとう。私もお返ししようと、
思ったのだけど誕生日がわからなかったので、今日贈ることにしました。
気に入ってもらえると嬉しい...。 見知らぬ子供より」
 
 ーーーーーー つけっぱなしのTVでは今日は、「父の日」ですね。
                     ...皆さんは、どうしますかと語っていた...

65 :ジョン・スミス:2022/03/01(火) 09:50:28.88 ID:/elj6n/D.net
>>64
15行目「そんなとこに見知らぬおじさんが居てはいけない。」に訂正

66 :ジョン・スミス:2022/03/01(火) 10:55:44.71 ID:/elj6n/D.net
「愛だけを残せ」single version.

私が小学生の頃に、少し足し算、引き算の計算や会話のテンポが
周りの子よりも遅い男の子A君が居ました。

彼はよく空の絵を書いていました。
抜けるような色遣いに、子供心に驚嘆していた。

担任の男の先生は算数の時間、解けないと分かっているのに、答えをその男の子A君に、いつも聞く。
男の子は冷や汗をかきながら、指を使って、「ええと、、、ええと、、、」と答えを必死で
出そうとする姿を周りの子は笑う。担任の先生は答えが出るまで、しつこく何度も何度も言わせていた。
私はそんな担任の先生が大っ嫌いだった。

クラスもいつしか変わり、私たちは小学六年生になる前、その先生は違う学校へ転任することになった。
それで先生のお別れ会をやることになった。生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。

先生に一番世話をやかせたA君にやらせればいいと言い出した連中が居た。みんなもそうだA君がいいと言い出した。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿をみんなが期待したのだ。

その日がやって来た。当日、A君は立ち上がり、先生の前でどもりながらも
「ぼ、ぼ、ぼくを、ふ、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございましたと
先生はみんなが帰った後、ぼ、ぼくに、恥を恐れるな、若い時の恥は、一時の恥、
今がんばれば、どもりも治せる。頑張れと励ましてくれました。本当にありがとうございました」

A君の感謝の言葉は15分以上にも及んだ。あんなに酷かったどもりもいつしかなくなっていた。
自分に自信がついたのだ。先生から水彩絵の具の色の使い方を教わったこと。

放課後、先生と算数の勉強をしたことなどを語った。その間、おしゃべりをしたり、笑ったり馬鹿にする子も
居ませんでした。みんな真剣に聞き入っていました。A君の話が終わった後、みんなが拍手しました。

...先生がぶるぶる震えながら...嗚咽を食いしばる声が体育館に響いた...

67 :ジョン・スミス:2022/03/01(火) 11:10:48.79 ID:/elj6n/D.net
>>66
14行目「ありがとうございました。」に訂正

68 :ジョン・スミス:2022/03/04(金) 11:08:46.51 ID:TrXETqvM.net
「瞬きもせず」

もがき苦しむ我が子の姿を目の当たりにしながら、その姿を見守り、願う事しか、
出来ない親の辛さは地獄の業火に焼かれる思いだった。「頑張れば幸せになれるよ」
小児癌と闘う我が子にかけた言葉。5歳の時に病魔に襲われた。ユーイング肉腫。

10万人に1人と言われる子供に多く発病する骨の癌。大変強い疼痛が特徴で、
同じ悪性の骨肉腫よりも強い痛みがあり、体中に転移しやすく強い抗がん剤で治療
しなければならない難病。子供にはあまりにも過酷な治療。ナオ君は痛みに耐え、
必死に病と闘っていました。

しかし、癌は全身に転移し、もはやなすすべもない状態になってしまいました。
目は開き体はよじれ、ナオ君は悲鳴ともつかない声で「苦しい!… お母さん!息が、息が出来ないよ!!!」と
訴える...もう、だめかもしれない。私は我を失い、泣き叫びパニックになった!

叫びながら、病院中を駆け巡り主治医を探し回った。研修医しか見つからない。
病状が収まらない我が子を目にし、半狂乱になった私は周りに怒りをぶつけてしまった。
「何もできないんだったら!あっちへ行ってよ!!」暫くして処置が効き始めたのか、

ナオ君の呼吸が落ち着いてきた。ほっとして、立ち尽くす私に医師が告げたのは、
「今は落ち着いていますが、おそらくあと半日くらいだと思います」という残酷な告知だった。
病室に戻り平静を装おうと必死な私。その気持ちをいち早く察知したナオ君は、

「さっきナオが、あのまま苦しんで死んだら、お母さんおかしくなったでしょ。だからナオ、
がんばったんだよ。それでも苦しかったけど。お母さんがナオのためにしてくれたこと、
ナオはちゃんとわかっていたよ。でも、安心して。ナオはああいう死に方はしないから、

ナオは生まれてくる時に、神さまからあたえられたしれんなんだ!だからさいごまであきらめず
がんばらなければならないんだ!だからナオはがんばるよ!」帝王切開で生まれたナオ君は
生まれた時から不思議な子でした。僕が、雲の上から神様とお母さんを選んで生まれて来たとか、

試練を貰って生まれてくることは大変名誉なことなんだ!とか、この世に生まれてきた意味は、
楽をすることではなく試練から学ぶことだと言う。一緒にTVを見ていた時、「なぜいじめってなく
ならないかしってる? お母さん」って聞かれたとき、答えに困っっていると、ナオ君は

「たのしいからだよ。いじめが楽しいから。実は何に楽しさを見つけるかがもっとも大切なんだ!
自分をみがくために生まれて来た。いろんなけいけんから学んで心を成長させるためなんだ!」
レベルの高い経験を積むことが大切だと言う。本当に不思議な子ナオ君。

あと半日の命と言われたナオ君。彼は渾身の力を振り絞って頑張ります。夜十時過ぎ、
突然落ち着かない様子で、体を前に泳がせる様な仕草をします。「前に行くんだ!前に進むんだ!
前に行こう!」私もビックリするほど大きな声で言う。そして、まるで目の前に追ってくる
死と闘っているかのように固く歯を食いしばっている。ギーギーという歯ぎしりの音が聞こえるほど。

痩せて衰えて、体を動かす元気もなくなっていたナオ君のどこに、これだけの力があったのかと
驚くほど力強く身体を前進させる。「代われるものなら代わってあげたい」私はよく口癖のようにナオ君に
言っていました。でも、そのたびにナオ君は力を込めて「ダメだよ」とかぶりを振り、
「ナオじゃなければ耐えられない。ナオでいいんだよ」という。

半日と言う死の宣告から、二週間後、必死で頑張ったナオ君は静かに息を引き取った。
最後の最後まで、諦めず必死で病と闘ったナオ君。そんなナオ君が口癖のように言っていた
「身体は滅びても、心、魂は永遠なんだよ」だから安心してと言っていた言葉。
私に生きる勇気と励ましを与えてくれた不思議なナオ君。

69 :ジョン・スミス:2022/03/04(金) 11:15:51.51 ID:TrXETqvM.net
>>68
25行目「答えに困っていると、」に訂正

70 :ジョン・スミス:2022/03/05(土) 14:25:17.03 ID:yM5F2jzL.net
「帰れない者たちへ」

 ...あれは昨年の10月頃だった。
日本を代表するホテルの孔雀の間、この豪華絢爛たる大広間に、今、千人近い日本の顔が集まっていた。
日本の政財界を代表する大物実力者を招いたパーティが行われている。まさに日本を揺り動かす顔が一堂に揃っていた。
各国駐在大使夫妻や武官も顔を見せていた。私は藤堂の顔を探していた・・・盛んに握手し合ったり、肩をたたき合ったり、

談笑し合う光景の中・・・「ほほう、早いな、分かった」と相手と談笑している脂ぎった精悍な顔つき・・・まさしく藤堂だ。
「やあ、君か、久しぶりだな」「お久しぶりです。昨年の赤坂の高級料亭・嵐月の離れ屋敷で会って以来ですね」
「そうだったな、ここではなんだから...君には話したいことがある。後で連絡させるから、私の別邸の方に来てくれないか」
「分かりました。では、失礼します」 ・・・・・・・・・

あれから数日後、指定された成城の屋敷に来ていた。屋敷の奥から品の良い老女が姿を見せ、丁寧に腰を折った。
その老女に案内されるまま、庭石伝いに居間に通された。「旦那様、中沢様でございます」「おう、よく来たな。そこに腰掛けなさい。
ところで君とは、もう何度くらい会っておるかね」「5度 ・・・ 位でしようか、今夜は核心を突こうかと考えております」

「わしは、君が知りたがっていることを話すつもりはない。あの世に持っていくつもりだ。ここに呼んだのは、そんなことではない。
わしは全てのものは手に入れた。だが、・・・」額に手を当て「そろそろ、わしも潮時かもしれんな ・・・ ・・・ ・・・
わしの読みが誤ったのかもしれん」彼の一言で一斉に動かせる影の黒幕とは思えない弱気な発言だ。

出征の秘密から人生訓、経済…金の仕組み、彼なりの哲学、陰陽学...あれこれ3時間聞かされた。
私が聞きたかったことは何一つ聞き出すことは出来なかった・・・

「バカヤロー!!! こんなのは、記事にはならん!! こんなことを聞き出すために、お前を送ったんじゃないぞ!! バカヤロー!!!」
デスクに怒鳴られた ・・・

     ・・・ その3か月後、フィクサーと呼ばれ恐れられた男、藤堂が亡くなった ・・・

「修羅の世を生き抜き、そこで一生を終え… そして黄泉の修羅の世界に行くのだろう… 類は類を引き寄せるからな。ワハハハ」
  .........これが彼が最後に言った言葉だった。

71 :ジョン・スミス:2022/03/05(土) 14:31:25.38 ID:yM5F2jzL.net
>>70
下から7行目「出生の秘密」に訂正

72 :ジョン・スミス:2022/03/05(土) 17:07:04.21 ID:yM5F2jzL.net
>>70
末尾追加
彼はこんなことも言っていた「天国を地獄に変えてしまう、わしは、修羅の世界から
足を洗うことは意識の世界に行っても出来ん。ワハハハ。大切なのはどんな生き方をして
来たかだろうな。ワハハハ。どの世界で生きて来たかだろうな。それがその後の行き先(黄泉の国)を
決める。ワハハハ」

73 :ジョン・スミス:2022/03/06(日) 10:11:50.75 ID:JgZINf6b.net
「I Love You, 答えてくれ」

私が幼い頃、親に離婚されて、どっちの親も私を引き取ろうとせず、施設に預けられ、
育てられました。そして三歳くらいの時に、今の親にもらわれたそうです...

当時の私は、そんな記憶も自覚もなく、育ててくれた親を本当の親と思って中学二年まで
過ごしてきました。そして突然、父との別れが訪れました。脳梗塞で帰らぬ人になったのでした。

父の葬儀の時、「私と両親は血が繋がっていない」と言う事を親戚の方から偶然にも知って
しまったのです。葬儀の後、私は母を問い詰め、本当のことを聞きました。その時のショックを境に、
私は母を嫌いになりました。亡くなった父でさえ嫌いになりました。

多分、私の心の中で両親に裏切られた思いが強かったんだと思います。元々私の家は裕福で
はありませんでした。ですから、父が亡くなってから、母が働きに出ざるを得ませんでした。
母は、朝は近くの市場で働き、昼から夜にかけてはスーパーで働いていました。

それもこれも全て、私の為でした。高校・大学と進学させる為でした。ですか、当時の私は、
それすらも、うっとうしく思っていました。時には、学校に登校する時間と、早朝から出かけていた
母が市場から、帰ってくる時間がちょうど重なってしまい。友達と登校していた私は、エプロン姿で

市場で働いている母と、家族であることが友達に知られたくない気持ちが強く「行ってらっしゃい」と
言う母を無視しては、友達に「誰、あれ? 気持ち悪いんだけど」と言う悪口さえ言っていました。

それを察してか、次の日には、わざと目を伏せ、足早に私とすれ違って行きました。
でも、それでも母は、何一つ文句を言わずに働いてくれていました。

そんな日が、一ヶ月くらい続いていました。ある雨の日、雨合羽を着て市場から帰ってくる母と
すれ違いました。当然無言です。その姿は何とも寂しくて、哀しく、辛そうに見えました。

涙が溢れそうになりました。私は一体何をしていたのか、ボロボロになってまで私を育てて
くれているあの人に、私は何をうっとうしく思っているのかと、後悔の念が私を襲いました。

私は友達の目も気にせずに、そんな姿の母に駆け寄りました。でも、何を言っていいか分かりませんでした。
その時、ふと口に着いた言葉が「行ってきます」でした。私が言えた言葉は、たったそれだけでした。

でも、母は驚き! そしてその場で泣きました。そして、何度も何度も「行ってらっしゃい」と言ってくれました。
私が友達のところに戻った後も、母は私を見ながら手を振って「行ってらっしゃい」と言ってくれて...。

今では彼女こそが私の本当の母です。たとえ戸籍上ばどうあれ… そう思っています。恩は返しきれないほどあります。
母は「それが親の務めだよ」と、いつも口癖のように言っていた。 そんな母が昨日亡くなった.........

74 :ジョン・スミス:2022/03/07(月) 21:18:38.30 ID:y02xM6BG.net
「観音橋」

私には根拠のない自信があった。それが崩れたのは突然だった。
私の生まれた町は、そこそこ発展してて、そこそこ田舎で、有名な観光地でも
無ければ、特産品も何もない中途半端な、そんな田舎町だった。

そのくせ伝統とか言って、古臭いしきたりだけが、一丁前にあって、よそ者を
とことん毛嫌いする。自分達と少しでも違うと排除しにかかる閉鎖的な、そんな町だった。

そんな町で生まれ育った私は、学校でも一際、目立つ存在でもあった。
成績も容姿も運動も、常に一番で、クラスの人気者でもあった。そんな私は、いつもみんなと
平等に優しく接していた。そんなわけで、いつも私の周りには人が集まっていた。

嫌われるとか、いじめられるとか、孤立するとかなど、そんなのとは無縁な存在で、
いつもみんなとワイワイガヤガヤ楽しく学校生活を送っていた。

そんな私が、私でなくなったのは小学校五年生になってからだった。小五の寒い冬の日、
東京から、この田舎の町に引っ越してきた女の子。あの子は何もかもが、完璧だった。
成績も容姿も運動も。そして心がとても温かくて、何か品が良くて、とても美しかった。

何もかも敵わない。人生で初めての敗北。それでも私は絶望しなかった。あの子と私。
どちらも才色兼備で優しい性格。それだけ聞くと似ている私達。でも、唯一、違うものがあった。
それはあの子が、よそ者と言う事。私は町の者で、あの子はよそ者。

結局、いつもみんなの中心に居るのは私。唯一、私が私でいられたのは、嫌われるとか、
いじめられるとか、孤立するとかとは、無縁の存在だったからだ。でも、あの子は違った。
よそ者というだけで嫌われ、いじめられ、そして孤立した。

よそ者というだけで、どこからどう見ても、私より完璧な、あの子を排除するなんて…
私が、あの子を少しでも手助けしたのならば、あの子は少しずつ学校にも、この町にも、
慣れたかもしれない。そんなのはわかっていた。けれども、私はそうはしなかった。

自分の居場所を無くすのが怖かったからだ。無視され、嫌われ、いじめにあう学校も、
相変わらず、よそ者扱いするこの町も残酷だ。私は私の為に、あの子を助けなかった。
私は優しくもなんともなかった。何よりも、私はそのことに愕然とした。今まで私がした
ことは、所詮、偽善でしかなかった。それは私の居場所を守る為の優しさだったのだ。

あの子を助ける力を持ち、よそ者だからと、嫌悪していないのは私だけだったからだ。
それでもあの子は、私に助けを求めなかった。みんなに相手にされず、無視され、時には、
いじめられ孤立するあの子。そんな姿をただ、茫然と立ち尽くし、見ているだけの私だった。

そんな私を、澄んだ瞳で優しく見つめるだけだったあの子。その瞳には何の感情もない。
口元はうっすらと微笑んでいた。賢いあの子は私の気持ちをわかっていた。私の気持ちを...

そしてある日、あの子と偶然二人きりになった。夕暮れの学校の校庭のブランコに座り独りぼっちだった。
あの子は、私を見ると、周りに誰もいないことを確認して安心したのか、ゆっくり一言。
「私、あなたと友達になりたかったの?」「.........実は...私もよ」

75 :ジョン・スミス:2022/03/10(木) 09:00:06.18 ID:K4w2dznY.net
「愛していると云ってくれ」の元気ですかの朗読から玲子の流れがとても好き。みゆき節の真骨頂と言ってもよいと思う。

76 :ジョン・スミス:2022/03/10(木) 09:55:36.38 ID:ZQUkacIe.net
>>75
あれはストーリーとして繋がっているからグッときますね。

77 :ジョン・スミス:2022/03/10(木) 11:10:54.29 ID:ZQUkacIe.net
「齢寿天任せ」

80歳くらいのお爺さんとお婆さんが駅のホームで手を繋ぎながら歩いていて、
それだけでもう、ほっこりするのに、聞こえてきた会話が「俺だって、そりゃあ
嫉妬することもありますよ。幾つになっても、こうやって捕まえておかなければ」
「あら、そんな照れますったら」

さっき横断歩道渡る時に70歳くらいの老夫婦が「今日の晩御飯なんかなぁ…」
「ふふ、じゃあ、3択です! 1、おうどん、2、おうどん、3、おうどん」
「じゃあ、おうどんかな」「ぶー!お蕎麦でしたー」とかやってんの。
こんな他愛もない会話して...可愛いなぁ〜 こんな夫婦もいいなぁ〜

デパ地下の洋菓子売り場で見かけた老夫婦の会話。「ばーさんはアーモンドが好きだったな」
「おじいさんの好きな味でいいですよ」「何言ってるんだ! それじゃお返しにならん!
まったくもう… お前はいつもいつも」「あら、だって、どうせお茶菓子で一緒に
食べるじゃありませんか」「うふん!」と顔を赤らめるおじいさん...

帰りの新幹線の車内での老夫婦の会話...
お婆さんが「コロッケ食べたいんでしょ? 買ってきてあげるから、少し待っててくださいよ」
お爺さん「いらん!」お婆さん「なんで、そんな意地はってるの? 食べたいんでしょ?!」
お爺さん「お前のコロッケじゃなきゃイヤだ!」お婆さん「いやだわ、あなた...」

そういえば、学生時代ホテルのバイトをしていた時の老夫婦の会話を思い出すなぁ・・・
老夫婦がフロントにやって来たので、いつも通り「貴重品はありますか?」と私が聞くと旦那さんは、
少し考えた後に「こいつ」と奥さんを指さした。奥さんは顔を真っ赤にして「そんな大層なもん
じゃないです...」と恥ずかしそうに言っていたなぁ〜

ー 私達は近くのカフェに ー 「これからどんな時代になるかわからないけど、良い時代になって
ほしいわ。そして、良い老後が迎えられるといいわね」「そうだね。僕の夢は、縁側で日向ぼっこ
しながら、お茶やコーヒーをすすることかな」「慎ましい幸せね。そんな何気ない幸せが本当の幸せ
なのかもしれないわね」「そんなのでいいんだ。生きていることに幸せを感じられれば、それでいい。
何でもかんでも、欲を言い出したら限がないからね」「そうね」

楽しそうな声が聞こえてくる客席...
コーヒーポットから噴き上がる湯気が、天井に当たってゆっくりと店内に広がっている。
ショーケースの中には、可愛らしい自家製ショートケーキや焼き菓子たちが
お行儀良く並んでいる ・・・  〜 穏やかな時間が流れる店内 〜

78 :ジョン・スミス:2022/03/11(金) 08:32:02.28 ID:SxwhkZsp.net
「倒木の敗者復活戦」

俺は大震災に遭遇し津波に呑まれながらも、危うく命を落としかけながら奇跡的に
九死に一生を得て助かったが、じいちゃん、ばあちゃん、そして両親、弟の家族全員を失った。

「笑っていなければ、亡くなった家族全員が心配する」と思い精一杯生きて来た。
人は皆、一人で生きていると思っていても、実は常に見えない何かの助けによって
生かされているかもしれないと思うようになっていた。

「ワン」「ツー」「立てっ! ジョー、立つんだー!!」
「スリー」「フォー」「立て―立つんだ!! ジョー!!!」
「ファーブ、」レフェリーがカウントを数えている…

リングの中央で、俺、立石譲は片膝をついていた。打撃の打ち終わりにガードが、
下がってしまったところを狙われ対戦相手のチャンピオンの一撃を喰らいダウンしていた。
手にはグローブ。足にはシューズ。腰には試合用のトランクス。

あれから11年、俺はボクサーとして、生身がぶつかり合う厳しい勝負の世界で生きていた。
それは何かと心が折れそうになる弱い自分に対しての生きる証を求めてなのか、
自分でも、はっきりした理由がなんなのかは未だに分からないでいた。

「ジョー! まだ大丈夫だ! 頑張れ!!」はっきりしていない意識の中で、
声の主を探した。無名のジムの為に、二人三脚で見えない道を歩んでいる
パートナーでもある所属ジムの会長だ。必死な形相で、こちらに向かって
叫んでいた。会長がリングを叩いている。「ハハッ!」 まるでゴリラだ!

周囲に意識が向いてくると、レフェリーが指でカウントを数えているのが見えた。
「やべぇ!」とダウンしていることを認識し、立ち上がった。足元がふらつく。
「大丈夫か?」と言うレフェリーの問いに俺は「大丈夫です」と答えていた。
ファイティングポーズをとり、ステップを踏んだ。

チャンピオンが笑みを浮かべ、こちらの様子を伺っている。
構えはそのままに、仕留める気、満々の気配がこっちに伝わってくる。
俺は口から出血しながらも、まだ踏ん張っていた。

俺にとって、やっとのことでもう一度、掴んだチャンスだった!
やられてたまるかよ!! 負けてたまるかよ!!!
レフェリーが試合再開の合図を送る。「ボックス!」

会場に入る前「世界ウェルター級チャンピオンシップ」そう書かれた看板を見た時、
俺は泣きそうになった。ついにここまで来たかと...「チャンプを取るまでは」と
自分に言い聞かせた言葉を思い出し、グッと堪えた。

前回の世界戦では勝てず、その後、東洋ランカーに落ち、そこからまた這い上がって
来た俺だが、年齢は34歳。これが最後のチャンスだった。俺は必死で戦っていた。
必死で生きている実感を肌で感じながら、おのれの人生を賭けた戦いを闘っていた。
それはまさしくおのれとの闘いでもあった。

79 :ジョン・スミス:2022/03/12(土) 09:58:20.69 ID:DAK3aSgi.net
「幸せ」

自分で言うのも何だが、俺は会社では、かなり仕事が出来る方だった。
若かったけど、会社の企画を任されたりもした。会社でも信用は高かったし、
色んな人が俺をサポートしてくれた。

だから、俺もそれにこたえようと必死に頑張った。仕事に没頭した。おかげで、
仕事はもの凄く忙しかった。出張、出張で残業は当たり前。休みも急な呼び出しが
あれば、すぐに飛んで行った。もちろん、その分、給料はかなり良かった。

俺は家に帰って寝て、朝また仕事に向かうだけの日々・・・そんな毎日だった。
そしていつしか、俺と嫁は会話をしなくなった。家に居るのは本当に僅かな時間だった。
俺は疲れて帰って家ではクタクタになって寝ることが多かった。嫁はそんな俺を
色々とサポートしてくれた。けど、やはり話す時間は、ほとんどなかった。

それから数年後、ある休みの日、俺は荷物の整理をしていて、結婚式の写真を久しぶりに見た。
今思うと、あの時は最後にマイクを持ち大声で「一生、幸せにします!」なんて恥ずかしいことを
叫んでいたなと思い出し笑いをした。

そんな時、ふと我に返って家の中を見廻した。綺麗に片付いている部屋。だけど、俺が結婚前に
描いていた家庭ではなかった。俺が休みなのに、顔も合わせずに友達の所へ遊びに行く息子。まるで、
俺から逃げるかのように家事をし、終われば何も言わずに買い物に出かける嫁。

何だか、家庭は冷え切っているように感じた。これが本当に自分が思い描いた家庭なのか、
これで幸せにしていると言うのか、そんな思いが込み上げてきた。

次の仕事の日、俺は会社の上司に転属願いを出した。そこは、それまでの職場から比べると、
給料は圧倒的に低いところだった。だがその分、残業や出張が少なかった。上司からは、
止められたが、俺はそれを押し切って、その職場へ異動させてもらった。

そして異動が決まった日、いつもより早く家に帰った。俺が早く帰って来たことに嫁は驚いた。
息子は俺の実家に泊まりに行っていた。そんな嫁にシャンパンを買い、久々に嫁と二人でゆっくり
食事をしようと思っていた。しかし、いざ嫁と食事をしてみたものの、既に、ここ数年間ろくに
会話もない関係。いきなりスラスラと会話は進まなかった。

重い沈黙の中、俺と嫁は黙々と目の前のご飯を食べていた。その重苦しい空気が、その時の俺と嫁の
関係を物語っているような気がした。でも、それじゃダメだと自分を奮い立たせ、嫁に職場を異動した
事を告げた。最初は嫁もふ〜ん程度の反応で、一切興味を示さなかった。それどころか、俺と目を
合わせようとしない。多分、俺はただの同居人なのだろう。それでも俺は話し続けた。

家族の為と思い働いていたけど、家庭を顧みず、お前と息子には寂しい思いをさせたこと。
これからは、家に居る時間を増やして、家族と過ごす時を増やすこと。そういう話をした後、
嫁はポカンとしていたが、暫くして、その場で箸を持ったまま泣き出した。それから俺は、
出来るだけ早く会社を退社し、家に直行するようになっていた。

最初の頃は、俺が早く帰ると家のサイクルが狂うようで、なんか色々と嫁が慌てていた。
もちろん息子も動揺していた。それでも暫くすると、俺が家にいる生活にも慣れ始めた。
顔を合わせようとしなかった息子は、いつの間にか、今日学校で何があったか楽しそうに俺に
話すようになっていた。嫁もテレビで、こんな話を聞いたと自慢気に話しかけてくるようになった。

俺は、それが嬉しくて笑顔で話を聞いていた。嫁と寝室で寝るとき、俺は嫁に言った。
「幸せになる道には二つある。一つは願い事がうまく叶うこと。もう一つは願いなんか捨ててしまうこと」
ーーーーーーーーー 俺は、出世を捨てた代わりに、家族団欒の幸せをつかんだ。

80 :ジョン・スミス:2022/03/13(日) 09:08:02.44 ID:e42Egm4m.net
「夜行」

私は幼い頃からずっと片親で育ってきた。母娘の二人暮らし。
母は私に寂しい思いはさせたくはなかったのだろう。
二人きりだけのクリスマスや誕生日も毎年してくれた。

けど、十代半ば、反抗期のせいで、母の優しさが、もの凄くうざく感じるようになった。

心配されることも、口を利くことも、全てがうっとうしくなった。
毎晩、夜遅く帰って来て、母親が心配してくれても、母に罵声を浴びせていた。
友達と遊ぶことが、楽しくて段々と家に帰らなくなっていった。

夜になると、仲間とつるんで夜通し繁華街で遊んでいた。
夜の繁華街。バカ騒ぎしながら歩く酔ったサラリーマンが通り過ぎる。夜のネオンが好きだ。
ガードレールに座って友達と談笑していたら、お尻が冷えて寒いと友達のアキが言い出したので、
みんなで駅構内に行くことにした。

「ちょっと、そこの彼女。もし、良かったら遊ばない?」とアキに若い男が声をかけて来た。
「きゃあ、何こいつ! マジ、ブサイクっつうか、マジなんかウケる」と気の強いアキが言う。
「なんだと! もうイッペン言ってみろ!このくそアマめ! テメエ、ただじゃすまないからな!コラァ!!」

「しっしっ、どっかに行きな」と追っ払おうとする強気なアキ。「コラァ!!!」とアキに掴みかかろうとした若い男。
その様子をちょっと離れた所で、ヤンキー座りをして見てた背が高く一際ガタイのいいシンジが立ち上がり
近づいて来て、「どうかしたんですか?」

「な、何だ、テメエ!! デカイな...まあ、今日の所は大目に見てやるよ。今度は許さんからな!お前ら!! 分かったか!!」と
シンジを見上げ、睨みつけ威嚇し、啖呵を切った後、その若い男は悔しそうにシンジの足元にある空き缶を蹴って去っていった。
その姿を見てアキ達は笑っていた。

そうやって夜遅くJR駅構内でたむろして、バカ騒ぎしていたら駅員に注意された。
仕方なく、近くのコンビニで朝方までたむろしている時もあった。

ただ友達と、夜通しつるんでたむろしているだけで楽しかった。
そんな毎日の繰り返し......

そんな暮らしのそんなある日、いつも元気なアキが神妙な面持ちで語りだした。
「夜はね、寂しさや悲しい感情も辛いことも全部食べてくれる。そして忘れさせてくれる。
だから私は、夜が好き!」そう言いながら夜空を見上げるアキ。

私も一緒に夜空を見上げる。満天の星空が私達を見下ろしていた。
いつも元気が良くて燥いでいるアキ。そんなアキが泣いた気がした。
夜だから涙は見えなくて、声が震えているわけでもなく、ただ彼女の
心が泣いているような気がしただけだった.........

そんな肌寒い夜、久しぶりに家に帰ったら、なんと、私の分のおかずと、ケーキが置いてあった。
もう誕生日も二日、三日過ぎていたのに… 置いてあって… 毎日ご飯作ってくれていたんだ…

いつ帰るかわからない私を、ずっと待ってくれていたんだ。テーブルに無造作に置かれた小銭入れ、
ボロボロになった小銭入れ… 私が母の日に、お母さんにプレゼントしたやつだった...

まだ使っていたんだ...まだ、こんなに夜遅くまで働いているんだ...と思うと… 泣けてきた。
- 私は何をやっていたんだろう .........お母さん......

81 :ジョン・スミス:2022/03/14(月) 08:45:23.63 ID:0nvcIf6p.net
「PAIN」

私が17歳の誕生日に母が継母であったことを聞かされた。私を生んでくれた
お母さんは産後すぐに亡くなったと言う。産みの親より育ての親というが、その時の

私は今まで騙されてきたという思いと怒りで、慣れ親しんだ母が、急に他人に思え、
両親の話も聞かず、部屋で不貞腐れて泣いていた。

翌日から、母をおばさんと呼ぶようになった。そう呼ぶたびに母は、たまらなく悲しそうな顔をした。
その後、何かと私に気を使いだし、必死になる母を余計毛嫌いし、口も利かなくなってしまった。
何となく家に居ずらくなったので、夜は出かけるようになった。

それから一ヶ月が経とうとする頃、シカトし続ける私に母が部屋で読んでねと手紙を差し出してきたが、
私はそれを、その場でくしゃくしゃに丸め、ゴミ箱に投げ捨ててしまった。それを見ていた父が、私を張り倒し、
震える声で「母さんは、なあ...」と言ったが、私はろくすっぽ聞かずに泣きながら自分の部屋に逃げた。

ーーー 翌日、母は帰らぬ人になった。居眠り運転のトラックが赤信号を無視し、ママチャリの母に突っ込んだ。
即死だった。あまりに急な出来事の為、泣くことも出来ず、通夜が終わった後も、母の傍で呆然としていた私に父が、
ボロボロの紙切れを渡し、一言。これを読めと言った。それは、昨日、私がぐちゃぐちゃに丸めて捨てた手紙だった。

-「千夏ちゃんへ 17年間、騙し続けていて、ごめんなさいね。お父さんと話し合って、もっと早くに言おうとしていたんですが、
あなたに嫌われるんじゃないかと思い、あんなに遅くなってしまいました。あなたの気持ちはよくわかる。だってお母さん、
偽者だったんだもんね。でもね、お母さんは、あなたのことを本当のお母さんに負けないくらい愛しているんだよ。

千夏が成人しても、旦那さんが出来ても、ずーっと・・・」泣きながら書いたのか、字の所々が滲んでいた。
そして最後に、震える字でこう書いてあった。「・・・だから、 また、「お母さん」って呼んでね」

母は、私が感じた寂しさを17年もの間、耐えていたのだ。人の気持ちを考えられなかった私は、そんな母を苦しめたのだ。
-「お母さん!」- 久しぶりに発したその言葉は、今となっては、冷たくなった母の耳には届かない ーーーーーーーーー

82 :ジョン・スミス:2022/03/14(月) 23:26:15.29 ID:/bxa0lyI.net
爆サイ、したらばはパチンコ店の資金で運営されてるステマ掲示板。

パチンコ店スレの工作員

1,
爆サイ、したらば経営者、高岡賢太郎。
女優、高岡早紀の兄。
脱税で逮捕。
脱税した金をキャバクラ嬢に貢ぐモテないブサイク男ハゲ(短髪坊主)。
脱税した金で女を釣るブサイク男ハゲ(短髪坊主)。
パチンコ店を批判するか書き込みをした者にハッキング、名前特定のために自宅、ネカフェまでやってきてネカフェの個室のドアのカギを何らかの方法で開けて違法に部屋に侵入して、動画サイト(Hulu)のカードを2枚盗む嫌がらせをした泥棒。
ネカフェの隣の部屋から壁を蹴る嫌がらせをしてきたブサイクハゲ(短髪坊主)。

2,パチンコ店長(ブサイク、低偏差値)

3,パチンコ店に雇われたネット工作会社ピットクルー(時給900円ぐらいのバイト)

パチンコ店スレは工作員1、2,3が連携しながら書き込んでる。
パチンコ、パチスロの大当たりは全て遠隔大当たり。
パチンコ店を批判しすぎると爆サイ管理人のチンカス高岡からハッキングされ、名前を特定しようと自宅やネカフェまでやってくる。

★したらば、爆サイの管理人を逮捕★

高岡早紀の兄 逮捕までの悪行放蕩づくし 
週刊新潮2020年3月5日号
どうもこの人の周りではよく逮捕者がでるらしい。
女優の高岡早紀(47)の実兄、高岡賢太郎(48)が法人税など5900万円を脱税したとして、2月20日東京地検特捜部に逮捕された。
元内縁の夫が詐 欺の疑いで逮捕されてから2年たらずだ。

83 :ジョン・スミス:2022/03/15(火) 08:41:21.59 ID:Yfm0RBNL.net
「重き荷を負いて」

中学生になった僕の父親の職業は鳶職である。休日は定まっていない。
雨の日以外は日曜日も祭日もなく、お定まりの作業服に汚れた古いオンボロ車を

運転して仕事に出かける。仕事が終わると頭から足の先まで、泥や埃まみれで
真っ黒になって帰ってくる。

そして庭先で作業服を脱ぎ捨てパンツ一丁になって風呂場に行くのが日課である。
僕の友達が居ても平気で、そんな父の姿が恥ずかしくて嫌いだった。

小学校の頃、近所の友達は日曜日になると、決まって両親に連れられて買い物や食事に
出かけていくのが、羨ましく思いながら見送ったものだ。「みんな立派な父さんが居て
いいなぁ」と涙が流れたこともあった。

休みの時は、朝から焼酎を飲みながらテレビの前に座っている。母は「掃除の邪魔だからどいてよ!」と、
掃除機で追い払う。「そんなに邪険に扱うなよ」と、逆らうでもなく、焼酎瓶片手にウロウロしている。
「濡れ落ち葉という言葉は、あんたにピッタリね、この粗大ごみ!」「なるほど、俺にそっくりか。
ハハハ… うまいことを言うなぁ〜 ハハハ…」と、父は受け流して怒ろうともせずにゲラゲラと笑っている。

小学校の頃から、小遣いをくれるのも母だったし、買い物も、母が連れて行ってくれた。
運動会も発表会も父が来た記憶が一度もない。こんな父親は居ても居なくても構わないと思ったりした。

ある日、名古屋へ遊びに出かけた時、ふと気づくと、高層ビルの建築現場に「○○建設会社」と
父親の会社の文字が目に入った。僕は足を止め、暫く眺めて見て驚いた。8階の最高層に近い辺りで、
命綱を体に縛り、懸命に働いている父親の姿を目撃してしまった。僕は金縛りに遭ったように、

その場に立ち竦んでしまった。「あの呑み助の父が、あんな危険な場所で仕事をしている。
一つ間違えば死ぬ。女房や子供に粗大ごみとか、濡れ落ち葉とか、馬鹿にされながらも、
怒りもせずに、ヘラヘラと笑って返す、あの父が...」・・・・・・

 ・・・ 僕は父親の働く姿に身体が震えた ・・・
8階という米粒ほどにしか、見えない高所で作業している鳶職の父親の姿が、仁王さんのような巨像に見えた。
身体を張って命を懸けてぼくらを育ててくれている。何一つ文句も言わず、焼酎だけを楽しみに黙々と

働く父親の偉大さ。親父のように汗と泥にまみれて自分の腕、身体で黙って語らぬ生き様こそ、
本当の男の生き方ではないのか...男の仕事はスタイルじゃないよ...母さん!

汗と泥にまみれてもいいじゃないか...これが、男の生き様だよ! 
誇りに思っていいよ...母さん!! ...僕は、こんな父さんが好きだよ!
...そんな父さんの姿を見ているだけで、何か、 グッとくるんだよ! … 母さん!!!

84 :ジョン・スミス:2022/03/15(火) 08:43:18.71 ID:Yfm0RBNL.net
>>82
荒らしはお断りします。

85 :ジョン・スミス:2022/03/16(水) 08:34:42.37 ID:iN6D8sg4.net
「愛される花 愛されぬ花」

朝、目が覚めた。ぼんやりとしたまま手を伸ばし、鳴り響く目覚まし時計を止める。
ついでに時間を見ると、いつもの決まった時間だった。しょぼしょぼの目で洗面台へ

向かって水で顔を洗う。鏡を見て、「はあ...」と溜息をつく。
すっかり目が覚めてしまった。楽しいはずだった夢も少しも覚えていない。
今日、提出するはずのプリントは白紙のまま。そんな事に心がざわつく。

鏡の中には、何かを無くして途方に暮れる顔があった。母が用意した朝ごはんを
食べながら、テレビを点けた。ちょうど、今日の星占いをしていた。私の星座の
ラッキーアイテムは花柄の服。どうでもいいことだ。「行ってきます」と家を出る。

のんびり歩いて学校に向かう。何か曲を聴こうかと思ったが、家にイヤホンを忘れて来たので
諦めた。学校まで、あと少しの所で私はあるカップルを見かけた。幸せそうな笑顔を浮かべ
繋いだ手を小さく揺らす男女。女の子は同じクラスメイトで普段仲がいい子。

モテる友達が羨ましい。モテる友達が羨ましくて嫉妬してしまう。学校でも男の子に人気がある。
彼女と一緒に出掛けても、彼女はいつも常に、出かけた先で誰かしら男の子に話しかけられる。

私に気づいた二人が、「おはよう」と声をかけて来た。目の前の幸せそうな彼と彼女に息が詰まった。
キリキリと締め上げられて心が悲鳴を上げて泣いている。それを隠すように、慰めるように私は、

無理に笑顔を作って挨拶をした。仲の良さをからかうと、二人は顔を赤らめて照れて、惚気話の
ような言い訳を始めた。いつの間にかキラキラとして目で見つめ合っている。二人だけの世界に
入った彼らを置いて、足早に学校に向かう。今の私には辛すぎる光景だ。

車や自転車の走る音。鳥が囀る声。私は何気なく道端にひっそり咲く " 小さな花 " を見つける。
道端に咲いているその花。その花は、雑草から芽を出し、人知れず咲く雑草の花。「可愛いなぁ〜」
こんな誰も気に留めず、見過ごす目立たない雑草の花。そんな雑草の花でもこんな可愛い花を
咲かせるんだ。何か大切なものを発見した気がした。なんか逞しいな......

みんなに愛されて、植えられ大切に育てられた校庭の花壇も、同じ、
 ...咲いて散るひと春に、変わりはないのに...

- 今日は、何故か、そんな校庭の花壇よりも、この道端に、ひっそりと健気に咲く、
雑草の花が、ひときわ美しく見えるのは、気のせいだけなのだろうか......

86 :ジョン・スミス:2022/03/17(木) 10:29:25.26 ID:o5x6P8cR.net
「雨月の使者」

俺が4つの頃、母を亡くしている。ぼんやり覚えていることがひとつある。
公園でいつも遊んでいた。夕方になると、みんなのお母さんが迎えに来るんだ。

うちの母ちゃんは入院生活が長くて、どうせ帰っても、お父さんは仕事だし誰もいない。
暗くなっても、遅くまでよく公園にいた。年の離れた兄貴が部活終わって公園に来てくれて
一緒に帰るのが日課だった...。

その日も、暗くなっても砂場で遊んでいた...そしたら、俺を " 呼ぶ声 " がした!
振り向くと母ちゃんだった。息切れしながら歩いて来たんだ。

「ママ―! ママ―!! ママ―!!!」ってバカみたいに " 叫んで " 走ったよ!
暗い中、ブランコに一緒に乗ろうって、母ちゃんが俺を膝にのせて暫くそうしていたんだ。
街灯に照らされて、公園の草地にひっそりと咲き、揺れている花があった...
「母ちゃん、あのゆれている花、何て言うの?」「月見草よ」

その後、何日かして母は病院で死んじまったんだ。後で、お父さんに聞いたら、
自分でも長くないと言う事を知っていたらしい。あの時は、そんな事情も知らず、
母ちゃんに「どうして、いつも病院にいるの?」ってしつこく聞いていたんだ。
あの時の母ちゃんは、どんな気持ちを抱えていたんだろう......

- 子供だったから、何も分からなかったんだ。「早く帰って来てよ!母ちゃん!」と
母ちゃん泣きついて、母ちゃんの傍を離れようとしなかったんだ。-

そんな母ちゃんが亡くなってから歳月が過ぎ、お父さんを親父と呼ぶようになり、
親父とも馬が合わず、中学の頃からグレだした。それ以来、ほとんど親父とも口を利かず、
家に居ても面白くない為。段々と家に寄り付かなくなり、遊びまわるようになっていた。
今となっては、恥ずかしいくらいグレていたんだ。

ある五月の雨の日、友達と遊ぶ金欲しさに、久しぶりに家に帰り、親父のいない部屋の
タンスの中を探していると、洋服が掛けてある奥にビデオテープがあった。
親父、こんなところに隠して、アダルトビデオかな、と思って動画再生すると、

病室のベットの上でお母さんが映っていた...「つよしくん、お誕生日、おめでとう。
おかあさん、何もしてあげられなくて、ごめんね。 お母さんが、居なくても、つよしくんは、
しっかりしたお利口さんだから、大丈夫よね。・・・・・・・・・」

- 15分くらいのビデオテープだった...... 言葉が出てこなかった ... 
「母さん...」......「ごめんね、母さん!」.........

87 :ジョン・スミス:2022/03/17(木) 10:35:21.53 ID:o5x6P8cR.net
>>86
6行目「俺を " 呼ぶ懐かしい声 " がしたんだ!」に訂正

88 :ジョン・スミス:2022/03/17(木) 10:47:37.48 ID:o5x6P8cR.net
>>86
17行目「母ちゃんに泣きついて、」に訂正

89 :ジョン・スミス:2022/03/18(金) 08:09:37.34 ID:jq72duIi.net
「私たちは春の中で」

私達兄妹は仲が悪い。別に何か理由があるわけでもなく、同じ空間にいるだけで、
殴り合いになるのだ。殴り合いに至るような会話もなく、目が合うと喧嘩になるのだ。

とにかく二つ上の兄とは仲が悪い。親は最初のうちは止めていたが、今では無駄だと
悟ったのか見て見ぬふりしている。そんなことで、今日も元気に私は女だてらに
右ストレートを兄の左頬に決めた!「痛てーな! 女のくせに、くそ生意気な!」
「チッ、くたばれ!くそ野郎!」「てめーこそ、くたばれクソガキが!」

いつからだろうか、兄を「くそ野郎!」と呼ぶようになったのは...
そして兄も、いつからだろうか、私のことをクソガキと呼ぶようになったのは...
一応そんな風に、いつからそう呼ぶようになったのかは、今では遠い昔話でしかない。

私は兄の急所を狙い、キックとパンチを繰り返す。「お前! そんなとこ、狙いやがって!」と、
くそ野郎は、それでも、ものともせず、それからは私のキックとパンチの全てを避けていく。

それが悔しくて、ふと、そんな時、頭をよぎった! " 閃いた ! " 最近、このくそ野郎が、
また女を引っかけたのを思い出した。このくそ野郎を動揺させればと思い、口に出す、
「そういえば、このくそ野郎! てめー、また女、引っかけたんだってな! 今度は清楚系やめて、
セクシー系か、はん、てめーみたいな、くそ野郎は女に刺されて死ぬのが、お似合いじゃあ!」

動揺しねー 動揺した隙に、股間を狙おうとしたが無理だった。くそ野郎が言う「そう言う、クソガキは、つい最近、
男に告白して、女に見えねーって、振られたらしいなぁ〜」「て、てめえー、ど、ど、どこで聞いたんだ!
その話!」私の方が逆に動揺してしまった。動揺させるどころか、私が動揺させられている。
そうやって、この百戦錬磨のくそ野郎に、いつだって、何でも、勝った試しがない。

口喧嘩だって、完敗しっぱなし。そもそも兄は、文武両道の野生児と名高くスペックが違い過ぎる。
今日も、そんなスペックの違う相手にケンカを挑む。とにかく私は、このくそ野郎!が大嫌いなのだ。

悔しそうな顔をすると、このくそ野郎は、大層楽しそうにニヤニヤと誇らしそうな笑みを浮かべ、
「俺の情報網、舐めてるんじゃねーぞ!」「べ、別に気にしてねーし、私を振るような男なんて、
見る目がないから、むしろ清々したくらいだわ!」「はーん、ひとり部屋に籠って、お気に入りの
クマのぬいぐるみを抱えて泣いてた奴のセリフか、」と、おどけて言う。

一気に、頭に血が上り、顔が赤くなるのが分かる。恥ずかしかった。今まで、
このくそ野郎に弱みを見せないようにしてきたつもりなのに、どうしようもなく
悔しくて恥ずかしくて、私は攻撃するのを中断して部屋に駆け込んだ。

その後ろ姿を見て、ひとりニヤニヤ、くそ野郎は楽しそうに言う
「顔赤くしちゃって、カッワィ〜 本当に、どうしょうもなく可愛いなぁ〜 おめぇーは」
そんな歪んだ愛情しかできない。そんなくそ野郎!なのだ。 こいつは!

90 :ジョン・スミス:2022/03/19(土) 08:45:50.06 ID:KVV8DM/1.net
「あの人に似ている」

お洒落なカフェで一息ついている。何気なく外の雪景色を眺めていると店員から声を
かけられた。「お客様、失礼します」コトンと置かれたそれは、湯気が立ち上がる
ホットミルク。「これは?」「あちらのお客様からでございます」見ると、

離れた席に居る男性が笑顔で手を振ってくれた。「あの」「はい」「彼にこれを」
たまたま持ち合わせていた飴玉を店員に渡した。年の離れた妹が「これあげる」と
今朝くれた飴玉。丁寧に受け取った店員は、そのまま彼の元へ持っていく。

涼し気な横顔があの人に似ていると何気なく見つめていると、彼と店員が笑顔でこちらを向いた。
彼は貰った飴を私に示してから、その口に放り込んだ。贈られたホットミルクに口をつける。
" 甘い、そして温かい " いつ以来だろう…? このシンプルな飲み物は… 最近の私には、
想像もつかないほど遠くに会った記憶。早すぎるときの流れ...あっという間に変わる景色…

一息つこうとしても… また、口当たりの優しいホットミルクを口に含んだ。ふわっと広がる白いミルク味。
身体の中に染み透る。ほっとするような温度。ホットミルクを、差し入れてくれた男性が、落ち着いた口調で
語りかけて来た。「こちらに座っても、よろしいですか?」「ええ、どうぞ」静かに彼が腰を下ろした。
「ホットミルク、気に入って頂けましたか?」「ええ、ありがとう。とっても美味しいわ」

彼は私と、テーブルを一緒にしながら、持ってきたカップで飲んでいた。「あなたは何を飲んでいるの?」
「僕はカフェオレを頂いています」「そう、とてもいいわね」「ええ、コーヒーもいいのですが、
今日は、なんだか甘い物を飲みたくなってしまいました」と言って白いマグカップを掲げた。

「ここに来るのは、初めて?」「いえ、実は三回目です」「あら、じゃあ、お会いしたことあるかも」
「実は、一度お見掛けしました」そう語った彼の声のトーンも、話し方も、何処か、あの人に似ている...
涼し気な横顔から、時折見せる寂し気な眼差しまで… そして明るく振る舞う処も… 

「実は、一度お見掛けした時、僕の昔の彼女に似ているなぁと思っていたんです。
彼女はホットミルクが好きだったんです。それで…」「実は、私も昔の彼に似ていると
思っていたの。あら、嫌だ。奇遇ですわね!」 " これは偶然 " その後の会話も弾み! 
......あっという間に一時間が過ぎた.........

「もう、こんな時間。じゃあ、そろそろ私、帰ります」「ああ、ありがとう」
「こちらこそ、ごちそうさまでした。とても楽しい時間が過ごせました」
「また、会えますか?」「きっとね、また、会えますよ」
「そうですか、楽しみに、お待ちしています」

91 :ジョン・スミス:2022/03/19(土) 08:52:23.07 ID:KVV8DM/1.net
>>90
10行目「遠くにあった記憶。」に訂正

92 :ジョン・スミス:2022/03/20(日) 09:34:18.62 ID:HTz1B1+g.net
「春までなんぼ」

「人生というものは、全く不思議なもんだよな」「ええ」「お前さんの人生は、
数奇だよな。大検を受けて医大に入り、今やこの街一番の病院の院長だ。それも自分の
過去が知られている。生まれ育ったこの街で、堂々と成功者として生きている。

あの手の付けられない不良だった、お前が更生したことが、今でも不思議て仕方ないんだよ。
何があったんだ!? まあ、言いたくなければ別にいいが、アハハハ」たまたま飲みに行った
居酒屋で、昔、お世話になった、今は警察署の署長と偶然出会い飲んでいた。

「実は私を立ち直らせてくれたのはヨシエなんです」「あの、頭のおかしい、おさせのヨシエ?!」
「あの人、頭おかしくは無いですよ」「あいつは、工場に勤めていて、男に捨てられたのがきっかけで
頭がおかしくなってあんな風になったと風俗担当の刑事がそう言ってたるなんでも田舎の家族が、

ヨシエのあまりの変わりように驚いて帰ってしまったと言う話だ」「田舎に連れ戻され、子供と別々に
されるのが嫌だったんですよ。あの時、ヨシエは17歳だったんです。あの頃の私と同じ年だった。
彼女は何度か私を誘った。背中に赤子を背負うヨシエに「不良のくせに恥ずかしいのか。結局お前もヤクザと同じだ!」

と言われた。そこに精神病院の救急車両が来てヨシエを捕らえ連れて行こうとする。「やめてよ!何するの!」と
ヨシエが騒ぐ。俺はその光景を見て「よせ、彼女は頭おかしくはない。やめろ!てめーらー!!」と救急車の連中を
殴り「お前らに用はない。さっさと消えろ!」と言う俺の背後に居たヨシエが、

「余計なことしないで、この人たちを呼んだのは私なんだから…」その言葉に俺は「えっ!?」と驚く。
すかさずヨシエが言う「もう限界なんだ。この子も物心ついてきた。物心つくまでは、誰にも邪魔されず、
母親としてやりたかったんだ。大事なものがあれば、人間どんなことでも出来る。お前なんか何もないくせに、
もっと人生大切にしなよ」と俺の背後でヨシエが言った。そしてヨシエは連れて行かれた。

子供が生まれて物心つくまで自分の手で育てたかった。そのわずか一年足らずで彼女は人生のすべてを捨てた。
その後、何度も彼女が収容された病院を訪ねました。しかし人に会える状態でないと会わせてくれませんでした。
ヨシエが意図的に会おうとしなかったのか、病院の方針なのか、あるいは本当におかしくなったのか、
ヨシエにはとうとう会えずに終わりました」

「会えずに終わった?」「私がインターンを終え、医師として面会に行った時にはすでに亡くなっていました」
「彼女を治してあげたい一心で医者を志したわけか?」「いえ、単にもう一度、ヨシエに会いたかった。
それだけです。彼女は私に生きることのい凄さを教えてくれた」

93 :ジョン・スミス:2022/03/20(日) 09:43:25.17 ID:HTz1B1+g.net
>>92
9行目「刑事がそう言っていた。なんでも田舎の家族が、」に訂正

94 :ジョン・スミス:2022/03/20(日) 09:48:50.96 ID:HTz1B1+g.net
>>92
4行目「今でも不思議で仕方ないんだよ。」に訂正

95 :ジョン・スミス:2022/03/20(日) 09:56:16.52 ID:HTz1B1+g.net
>>92
末尾「彼女は私に生きることの凄さを教えてくれた」に訂正

96 :ジョン・スミス:2022/03/21(月) 07:13:26.30 ID:Cow2GueJ.net
「明日なき我等」

時速150キロでバイクを疾走する競技、オートレース。この伝統のレース場が65年の
歴史に幕を下ろした「さらば!俺達の船橋オート」のTVドキュメントを見ていた。

「この春、日本から、男たちの聖地が一つ姿を消した」という味のあるナレーションで
番組は始まる...   ー 番組冒頭の船橋オートの優勝戦ファンファーレ ー

最後のレースが開かれた三日間の密着したドキュメントだった。親子二代で通う強者から、
イケメンレーサーの追っかけ、名物もつ煮込み目当ての客など、様々な人たちが押し寄せる。

日本に6競技場しかない公営ギャンブルのオートレース場の一つ船橋オートレース場の閉鎖までの
三日間のドラマ。中でもオートレースは競輪、競馬、ボートの4つの公営ギャンブルの中で、
最ものめり込んでしまう公営ギャンブルと言われている。

俺は公営ギャンブルは昔、競馬、競輪、競艇、オートと一通り経験していたので懐かしさも
あって画面にくぎ付けになった。大音響の爆音鳴り響く中、身銭を切って声援する人たちの映像。
あの大爆音の中、声援に集まる人たちの熱狂と興奮に久しぶりに熱いものを感じていた。

そんな65年間存続し続けたオートレース場が閉鎖される。1日目の第1レースから、初日は雨...
SGやG1になると、必ず、来ると言う車いすのおじさん。3連単4点を1000円づつ買うと言う
買い方をしていたけど、このレース、惜しくも外していた模様...。

また40年通ったファンのおじさん...そして食堂のおばちゃん達...
そんな関わって来た人たちの人生を思うと久々に熱いものがこみ上げて来た。
あの有名レーサーの登場に観客騒然!白熱のレースに空前の盛り上がりを見せていた。

爆音の中で眠る子供のシーン。名残惜しそうに、食い入るように白熱のレースを見つめる観衆。
「この船橋オートの爆音。このバイク音の響き方、他では味わえない。それは船橋が
他の場に比べスタンドの壁が走路に近いからだ。だから反響の仕方が違う。川口、伊勢崎、

浜松など他の爆音はもっと遠くに聞こえる。このバイク音はTVでも、通いなれている者には
「あ、船橋だ!」と分かる」そんな話を、お父さんが亡くなって最終節一緒に来れなかったと、
お父さんの遺影と一緒に来ていた男性が語っていた。そして遺影に語りかけていた...

...最終走路、走路に向かって...深々と頭を下げるおじさん...
多くの人たちの思いが詰まった一つの場所の終わり...選手にも、レース場にも、

...名残惜しむ多くのお客さんにも...それぞれの人生ドラマがある...
 ...蘇る昔、通った遠い記憶...さらば、船橋オート… ありがとう...

97 :ジョン・スミス:2022/03/22(火) 07:37:00.17 ID:luGwnbtv.net
「愛よりも」

親しい編集者の女性とカフェにいた...
「以前にも話したことがあると思うけど、小さい頃から同じ夢を見るって話…
多摩川の河で銃声を聞いたと言う夢のことさ」「覚えているわよ。それがどうしたの?」

「警察官だった親父の自殺の原因が知りたくて、親父の上司だった人に色々と調べてもらったんだ。
そしたら二十五年前、署の始末書に親父の名前が載っていたんだ。思った通り銃弾一つ紛失させている。
僕が幼い頃、聞いた銃声は夢ではなく現実だったと思う。そう思うようになったのは、僕が雑誌記者

として銀座の高級クラブで " 戦後暴力団・組長列伝 " の取材中にヤクザ抗争に巻き込まれそうになったことが
あった。いきなりドアを開け、敵対する勢力のヒットマンが入って来て、組員に間違われて撃たれそうになった。
あの時、" 突然! " 僕は以前にも同じ様な経験をしたような感覚がいきなり脳裏を襲った! " 夢 " だと思って
いたあの光景が、突然、幼い頃の記憶が蘇ったんだ!三歳ごろ河川敷の原っぱで三輪車に乗って遊んでいたんだ。

そんな時、いきなり銃声が聞こえたんだ。そして僕は見たんだ」「一体誰だったのよ、その人?」
「親父だ! 警察官をしていた親父だよ」「な、何で、お父様が?! 殺された人は?!」
「おふくろだよ。今となっては、詳しいことは分からない。記憶が蘇ってから警察の資料室で調べてもらった」

何故、親父が母を殺したのか、理由は、今となってはわからない。愛していたからこそ、生真面目な父は、
母の生き方が許せなかったのか、幼い記憶にある銃声後、振り返った父の姿、泣き顔が忘れられない...
親父を恨むつもりはない。ただ、このまま総てを忘れてしまうことが出来ない。ただそれだけだった。

警察の資料室で父の上司だった桜井さんに調べてもらっていた。「戸倉由紀。確かに、その写真と同一人物だね。
売春で三回逮捕されている。担当は君の親父さんだ」「修一と言う三歳の男の子が居ますね。僕と同じ名前です」
「だからと言って、その子が君で、この女が君の母親と言う証拠はないんだよ。まして、この女は亡くなって

証拠もない」「僕の母です。多分、間違いないと思います」「修一君、君はどうかしているぞ、いいかよく聞け!
君の親父さんは立派な警察官だった!! 何故、自分の親父を信じられないんだ!!!」「僕は本当のことが知りたいんです
分かってください。僕の母親なら、どんな生き方をした人であろうと、僕は母さんと呼んであげたいんです」

その後、殺害現場である河川敷の本格的調査、探索が始まった。「どうして父は、自首しなかったんだろう?」
「それは愛していたからこそ、あなたを引き取って育てたんだと思うわ。愛していた人の子供だからこそ、
自分の手で、一人前になるまで責任を持って育てようと決心したのよ」「そうか、それで僕が大学を卒業した時、

自ら命を絶った。責任を果たしたと感じたんだな」「そうよ。殺人の時効がとっくに過ぎた二十年後、罪を
裁けるのは自分しかいないもんね」親父とおふくろにどんな事情があったかは、今となってはわからない...

そんな時、「おい! 何かあるぞ! 骨の様なものが」「頭蓋骨だ! 間違いない人の骨だ!」
「あたし、これ記事にするのやめるわね」「あ、ありがとう。俺、ちょっと、おふくろに会ってくるよ!」

98 :ジョン・スミス:2022/03/22(火) 07:41:57.25 ID:luGwnbtv.net
>>97
3行目「多摩川の河原で」に訂正

99 :ジョン・スミス:2022/03/23(水) 08:04:47.23 ID:30MqwR1f.net
「やまねこ」

「松沢、五か月だぞ!」「え!? まさか・・・!!!」
「産む産まないは、お前の自由だ! 監獄法12条により、満1歳までは獄舎で、
育てることも出来る・・・どうする?」「...」私は刑務所で子供を産んだ。

「被告人、松沢由香は内縁の夫、大崎宏の腹部を一度ならずも、二度三度と刺した
事は傷口から見ても疑う余地はありません! 更にその残虐な犯行の後に、被告人は、
自分の住むマンションのベランダに出て、愛人に電話をしていた。これらの点からしても、
計画的、かつ、充分なる殺意を持って夫である大崎宏を刺し殺した事は明確である」

私だって、好きであんなことをしたわけじゃない。それなりの理由があったのに・・・
誰も、その理由を代弁してくれない。私があの男と最初に会ったのは十二年も前だった...

あの男はヤクザだった。その日以来、あいつは私のヒモ。私はあいつが出資して作った
店のママとして、夜の世界で働くようになった。お店が私の全てになり、店が自分で、
自分が店。そうして、この世界で生きて来た......

「弁護人として、検察側に一つお願いします。被害者である大崎宏は内縁の夫でもありませんし、
あたかも、戸籍上、正式な夫であるかのような印象を与えるような呼び方はお止いただきたい。
ましてや、大崎宏が善良な夫の典型であったかのような意図的な発言はお止めいただきたい。

彼は広域暴力団の中堅幹部であり、被告人に対して日常的に殴る蹴るの暴力を働き、組との折り合いが、
悪くなり、収入源を失った最近では、店の売り上げを持ち出して、被告人の生活さえも、圧迫させつつあったのです」

弁護人の弁護が終わり、被告人の最終陳述。裁判官が「被告人は証言台の前に立ってください」
そして裁判官から「これで審理を終える事になりますが、最後に何か言いたいことはありますか」
判決言い渡し。右の者に対する、殺人被告事件について、当裁判所は検察官白石健吉出席の上、
審判して次の通り判決する。 【 主文 被告人を懲役八年に処する 】

ーーー あれから八年が経った。「松沢! 所長室へ行くように」「は… はい!?」
言われるまま、所長室へ行くと所長が「覚えているかな、ワシのことを」「はい」
「いよいよ出所だそうだね、おめでとう。八年は長かっただろう。よく頑張ったね!

ひとつだけ聞いていいかね。子供に会いたいか? 君が産んだ息子は今、あるところで元気に
育っている」「...」坊やのことは、思わなかったことは一度もなかった...

一度でいいから、この胸の中で抱きしめてみたい。名前も知らない私の子供...
どんな顔をして、どんな声を出して、どこで生きているの? ・・・
一度でいい、一度でいいから、その名前を読んでみたい......

刑期が終え出所の日が来た...。
「色々と、お世話になりました」「元気でね」「ありがとうございます」

爽やかな春風と共に桜吹雪が舞う並木道 ... 雪のように桜の花びらが舞う中...
その先に、所長と一緒にいる " 幼く可愛い坊や " の姿が見えた......
" 落ち着いて " と自分に言い聞かせる。そうだ、まず、これを聞かなければ、

幼い坊やに近づいて、坊やの目線まで膝を折って「お名前は...?」
「すすむ!」「そう、とってもいいお名前ね!」

100 :ジョン・スミス:2022/03/24(木) 07:30:53.61 ID:cCOZrUgO.net
「泣きたい夜」

三つ下の妹が亡くなった。自ら命を絶った...
妹はいつも笑顔で悩みなんて口にしたことがなかった。
悩みなんてこれっぼっちも見せない。そんな子だった。

妹は成績は散々だったけど、いつも明るく元気な妹だった。
コミュニケーションが苦手な私は、そんな妹がとても羨ましかった。
何が原因だったのか? いくら考えてもわからない...

ただ行き場のない気持ちと、伝えたい思いが、今更のように押し寄せてくる。
いつも明るく元気だった結衣ちゃん。お姉ちゃんは、今でも信じられません。
現実を未だに受け入れられません。お母さんは毎日泣いています...
何があったか知らんけど、お姉ちゃんは、結衣ちゃんに生きててほしかった...

結衣ちゃんは、普段の笑顔の分、たくさん傷ついとんの、お姉ちゃん知っとった。
それなのに、何にも出来んかったお姉ちゃんは弱いね。ただ、今になって言えること見つけた。
お姉ちゃんは、あんたがめっちゃ羨ましかった。3っも年下なのに、お姉ちゃんより

しっかりしとる。けどさ、お姉ちゃん、羨ましかっただけで、あんたのこと、嫌いやない。
大好きやもん!大好きやけん!! 生きて欲しかった!!! 世の中は、理不尽で、不条理。
みんな自分の事しか考えてないけどさ。どんなに辛くても、ただ、生きとって欲しかった。

お姉ちゃん、いつもと違うあんた見て、あんたに「笑え!」って言ったのが、いかんかったん?
笑いよっても、しんどかったらいかんやん。あんたあほやん? 何で一人で抱え込むん?
何で相談してくれんかった? お姉ちゃん、そんなに頼りなかった? 誰かに嫌われるの、

確かに怖いね。お姉ちゃんも怖い。けど、みんなに愛される必要はないんよ。そう、すべての人に
愛されようとする必要はないの。みんなのヒロインになる必要もない。あんたは、お姉ちゃんの
ヒロインやったのに。苦しくても、悲しくても、泣いてもいいから、泣きたい夜には、

一人で泣かないで、お姉ちゃんを訪ねて来て欲しかった。お姉ちゃんの傍に来て欲しかった。
電話でもいいから、一人ですべて抱え込まないで打ち明けて欲しかった。電話口で、いつもお姉ちゃんを
心配させないよう気丈に振る舞っていた結衣ちゃん。お母さんも、お姉ちゃんも、結衣ちゃんが命やったんに。

今となってはこんなこと、言ってもしゃーないけどさ。何で結衣ちゃんいないの?
お願い、神さん! 結衣ちゃんの顔、もっぺん見せて。泣いとってもいいからさ。
思い切って抱きしめちゃるけん! ーーーーーーーーー 

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