Kita et al.(1982)は、室内の岩石破砕実験を行い、水の存在下で、石英や花崗岩を破砕すると水素が発生することを確認した。しかも、その生成量は、温度200゚ C付近で最大になることも見いだした。 反応機構としては、破壊作用によって岩石中のSi-O結合が切れて、反応性に富む遊離基が形成され、それと水分子が反応することによって水素が生成されると考え た。地震前に断層近傍の土壌ガス中の水素濃度が異常な変化を示す例もいくつか報告された(Satake et al. 1984/85,Sugisaki and Sugiura,1986)。