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【原発】原発情報3838【放射能】

230 :地震雷火事名無し(北海道):2015/08/22(土) 21:08:48.11 ID:3taAw+EY0.net
主権者というあり方の否定 京都大名誉教授 池田浩士
民意に敬意、対話努力を
 世論調査で内閣を支持すると答えた人が、その理由として「他の内閣よりよさそうだから」とか
「支持する政党の内閣だから」という項目で選んでいるのを、新聞報道などでよく目にする。
他の内閣よりはいいだろうと考えるのは、個人の自由だし、どの政党を支持するかも、各人の勝手である。
しかし、「首相の人柄が信頼できそうだから」という理由を挙げる人が少なくないのは、私には不思議としか言いようがない。
 人間同士の信頼というものは、相手とじっくり付き合い、共有するテーマや問題について対話と議論を重ねる中で、初めて生まれる。
共感はもちろん信頼の大切な要素だが、それだけではない。
自分と相手との違いを理解し、それを互いに尊重する気持ちが深まるにつれて、相手への敬意とともに信頼も深まる。
 信頼とは、そういうものではあるまいか。
テレビ以外では顔を見たこともない主唱の人柄が信頼できるなどと、私たちは言えるはずもないのだ。
だからこそ、間接的にしか出会うことのできない国民の信頼を得るために、まともな政治家であれば、
自分の結論を一方的に押し付けるのではなく、民意に敬意を払い、間接的にでも国民との対話と議論を深めようと努力するのである。
 かつての明治憲法の下では、天皇が唯一の主権者だった。
それ以外の私たちはすべて「臣民」であって、国民でさえなかった。
だから、当然のことに、天皇は私たちと対話し議論することなどあり得なかった。
「教育勅語」にせよ、「軍人勅諭」にせよ、「宣戦の詔勅」にせよ、天皇が一方的に国民に教示し、
命令を下すための「おことば」だったのである。
 戦後70年に当たる今年、不幸なことに日本の首相との類似性が問題とされることになったドイツのヒトラーは、国民と対話をする必要がなかった。
最も民主的な憲法とされる「ヴァイマル憲法」を無効にする「全権委任法」という法律を強行採決して、
やがては日本天皇と同じ「統帥権」(軍隊を動かす権限)まで手中にし、国家のあらゆる権力を独占したので、
国の方針や国民の進路について一方的に指示し命令するだけでよかった。
ヒトラーに冠せられる「総統」(フューラー)という称号は、ドイツ語で「指導者」という意味であり、彼は国家と国民の唯一の指導者に他ならなかった。
文字通りのこの独裁者が、国と国民をどこへ連れて行ったかは、歴史が示している。
 だが、歴史に対する責任は、独裁者だけが負うのではない。
主権者である国民と対話し討論する努力を重ねようとしない為政者を、そのまま放置する私たちの側の責任も、後世によって問われるに違いないのだ。
自分の方針や政策の正しさを一方的に述べているだけで、別の意見に耳を傾けようともしない現代版のヒトラーが、私たちを連れて行く先は戦争だけではない。
主権者という最も基本的な私たちのあり方そのものが、彼によって否定されようとしているのである。

以上

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