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【原発】原発情報3652【放射能】

569 :地震雷火事名無し(北海道):2014/05/31(土) 20:41:47.11 ID:ea7rNgGq0.net
全電源喪失の記憶 証言 福島第1原発
第2章 B 高線量突入「もう迷いなし」
 「ベントを実施せよ」。
福島第1原発所長の吉田昌郎(56)から1号機格納容器の蒸気を大気放出するベントの実施命令が下った。
3月12日午前9時4分、待機していた突入チームのうち第1班が中央制御室を出発していった。
原子炉建屋2階南東にある弁を25%開けてくるのが任務だ。
 第2班として控えているE班当直長遠藤英由(51)らの準備を運転員たちが手伝っていた。
突入チームに手を挙げられなかった作業管理グループの大野光幸(51)もその中にいた。
今は自分にできることをやろうー。
遠藤に耐火服を着せ、空気ボンベを背負わせた。
 遠藤はその輪の中で、25年ほど前の駆け出し運転員だったころに先輩運転員から聞いた言葉を思い出していた。
 「いいか、当直長ってのはな、いつも偉そうにしているけど、何かあったら最初に放射線量の高いところに行かなきゃならないんだ」
 当時は勤務に就く前のミーティングで先輩たちの飲むコーヒーを入れるのが若手の仕事だった。
 「ブラック」「ミルクと砂糖」「砂糖だけ」
 先輩たちの好みはさまざまだ。
間違ったコーヒーを出そうものなら怒られる。
特に当直長は怖かった。
「誰だっ、このコーヒーを入れたやつは!」。
カップの中身を床に捨てられたこともある。
 先輩は「あぁやってるけどな、万が一の時は…」と説明してくれたものだ。
遠藤の脳裏にその光景がよみがえっていた。
 万が一ってのは、今だよなー。
 「もう別に迷いも何もなかったですね」。
遠藤は空間線量を計測する線量計を首から下げた。
線量計は毎時千_シーベルトまで測れるようにセットしてある。
空気ボンベの限度は20分で、時間内に手動で弁を開けて戻らなければならない。
 ギッ…。
 その時、制御室北側の扉が開いた。
第1班の2人が戻ってきた。
マスク越しに叫んでいた。
 「開けたぞ!」
 第1班の作業は成功だった。
2人とも汚染されているのは明らかで、放射線管理のため制御室に来ていた保安班の住吉康一(43)が線量を計測し、マスクや耐火服を脱がせた。
2人とも疲れ切っている様子で、ペットボトルの水をゴクゴクと飲んでいた。
 第1班が開けた弁は格納容器の外側で、コンクリートによって放射線が遮られている場所だ。
それでも被ばく線量は最大25_シーベルトだった。
 遠藤あっちが向かう原子炉建屋地下の圧力抑制室周辺は、格納容器下部に当たる。
地震後、まだ誰も入ったことはないが、線量は格納容器外側よりはるかに高いだろう。
 午前9時24分、遠藤たち第2班は制御室を出発した。

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